“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

発達障害の会、運営に苦労 対人関係がネックに。

2017年11月01日 22時31分43秒 | 子どもの心の問題
 さもありなん。

■ 発達障害の会、運営に苦労 対人関係がネックに 初の実態調査
 自閉症やアスペルガー症候群といった発達障害がある人たちの当事者会で、対人関係がうまくいかず、運営に苦労するケースがあることが関連団体による初の実態調査で分かった。
 他人の気持ちを酌んだり、物事を計画的に進めたりするのが苦手な人が少なくないためで、お互いの特性を理解した上で、適切な役割分担が鍵となりそうだ。

 「それでは1人1分でお願いします」。
9月の金曜日、千葉県浦安市の公共施設で「アスペ・発達凸凹の集い『優しい時間』」の交流会が開かれた。
十数人が車座になり、まずは自己紹介。
自分の番がくると、隣の人からストップウオッチを受け取る。
周りを無視して1人で話し続けてしまわないようにと、この方法を取り入れた。
 7月から参加している女性(45)は外出時に財布や鍵をよく忘れ、時間の管理も苦手。
自分は注意欠陥多動性障害(ADHD)ではないかと思っている。
夫にもアスペルガーの特性があり、子育てを巡って意見がぶつかることが多い。
 "ママ友"に悩みを打ち明けても「ご主人には悪気はないのよ」と言われて、余計に苦しくなる。
だが交流会では「『ある・ある』だよね」と一緒に笑えるので、心が少しだけ軽くなる。
 代表の横山小夜子(よこやま・さよこ)さん(57)が運営で心掛けているのは、自分が苦しくなるまで頑張らないこと。
「週末に開いてほしい」と頼まれても無理をせず、別の当事者会を紹介。
参加申し込みの電話で長々と話す人には「当日聞かせてくださいね」と伝え、やんわりと切る。
 事務局は4人で担当。
横山さんは領収書の仕分けが苦手なので、会計は他の人に任せている。
会場予約やイベント告知、助成金の申請は分担し、互いにチェックする。
 一般社団法人「発達・精神サポートネットワーク」(東京)がこのほど公表した実態調査では、全国の当事者会61カ所のうち、運営で苦労している点として「利用者の対人関係」を挙げたのは半数超の32カ所に上った。
 都道府県や政令市が設置する発達障害者支援センターへの質問では、回答があった78カ所のうち、22カ所(28%)が「当事者会の運営支援が必要」とした。
 自由記述では「思い違いによるトラブルが発生することがあるので、参加者間で一定のルール作りを」「当事者が主体となりながら、外部の客観的な視点が必要」との意見があった。
 ネットワークの嘉津山具子(かつやま・ともこ)さんは「当事者に『相手の立場で考えて』と言うのは簡単だが、それができれば苦労しない。他人の気持ちを通訳してもらうため、必要に応じて専門職の支援を求めてもよいのでは」と話している。

妊婦のマルチビタミン摂取は児の自閉症スペクトラムのリスクを減らす(かもしれない)。

2017年11月01日 22時10分55秒 | 発達障害
 スウェーデンの大規模な統計です。
 妊婦におけるマルチビタミン摂取群は、栄養サプリメント非摂取群と比較して、ASD(自閉症スペクトラム)の児が生まれる確率が約半分に減った(0.26%:0.48%)という結果。

■ 妊婦のマルチビタミン摂取、児のASDリスク減/BMJ
2017/10/16:ケアネット
 妊娠中のマルチビタミン・サプリメントの摂取は、出産児の知的障害を伴う自閉症スペクトル障害(ASD)と、逆相関となる可能性が示された。米国・ドレクセル大学のElizabeth A. DeVilbiss氏らが、スウェーデン・ストックホルムの登録住民をベースにした前向き観察コホート研究の結果を報告した。著者は、「母体栄養と自閉症発症への影響を、さらに詳しく調査することが推奨される」とまとめている。母体のマルチビタミン、鉄分または葉酸のサプリメント摂取が、出産児のASDを予防するかについて、これまでの観察研究では一貫したエビデンスは得られていない。ASDの原因は知的障害の有無によって異なるが、認知機能レベルをベースに栄養サプリメントとASDの関連を調べた研究は、ほとんどなかった。BMJ誌2017年10月4日号掲載の報告。

マルチビタミン、鉄分、葉酸サプリの摂取とASDとの関連を調査
 研究グループは、住民レジスターから試験サンプルとして、1996~2007年に生まれた4~15歳の子供とその母親のペア27万3,107例を特定し、2011年12月31日まで追跡調査を行った。被験者の母親は、妊娠中の初回受診時に、マルチビタミン、鉄分、葉酸のサプリメントの摂取について報告していた。
 主要評価項目は、2011年12月31日までのレジスターデータで確認された、知的障害の有無を問わずASDと診断された子供の割合で、多変量ロジスティック回帰分析にてオッズ比を算出して栄養サプリメントとASDの関連を評価した。兄弟姉妹および傾向スコア適合群を対照とする検討も行った。

鉄分または葉酸サプリメントの摂取では逆相関の関連は認められず
 知的障害を伴うASDの有病率は、母体マルチビタミン摂取群0.26%(158/6万1,934例)、栄養サプリメント非摂取群0.48%(430/9万480例)であった
 栄養サプリメント非摂取群との比較において、母体マルチビタミン摂取群は鉄分や葉酸の追加摂取を問わず、知的障害を伴うASDのオッズ比が低かった(オッズ比:0.69、95%信頼区間[CI]:0.57~0.84)。同様の結果は、傾向スコア適合対照群でも認められた(0.68、0.54~0.86)。兄弟姉妹対照群においても認められたが(0.77、0.52~1.15)、信頼区間値が1.0を超えており統計的に有意ではなかった。
 鉄分または葉酸サプリメントの摂取では、ASD有病率と逆相関を示す、一貫したエビデンスはみられなかった。

<原著論文>
・DeVilbiss EA, et al. BMJ. 2017;359:j4273.