“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

「思春期の子ども」との“正しい”接し方とは?

2024年07月07日 09時49分09秒 | 思春期
さて、“毒親”に引きつづき、
“思春期”を扱った記事を紹介します。

私は思春期という単語から、
・自分の思春期
・自分の子どもの思春期
の両方を想像してしまいます。

さて、思春期の子どもに対する“正しい”接し方なんて、
存在するのでしょうか?
そんな疑問を持ちながら読んでみました。

…書いてある内容は一般的な子育てと同じでした。
「子どもの存在を受容・傾聴し、
 安心する場所を用意し、
 自由を与える」
というシンプルなスタンスに尽きるようです。

<ポイント>
・思春期は不安定な時期であり、心の内に葛藤を抱え、仲間から認められたいと願い、アイデンティティを形成しようとする年ごろ。
・無条件で頼ることができる周囲の支えが不可欠になる。
・10代の子どもが、いつになく不機嫌に見え、以前より距離を取ろうとし、親と対立することも増えるかもしれない。
・親の影響力が衰えてきているというよりは、ティーンエイジャーの子どもの世界が広がっていると捉えるべきである。
・子どもの変化を心から喜び、受け入れよう。思春期の子どもを、ありのままで受け入れよう。子どもの自主性を尊重しよう。
・助けが必要なときはいつでもそばにいることを伝えつつ、けれども、子どもが自力でさまざまなことを乗り超えていけるような自由を提供しよう。
・何よりも重要なのは、子どもが、助けが必要なときには親に相談できる、と感じられるような環境をつくること。


■「思春期の子ども」との正しい接し方、専門家からのアドバイス
Mark Travers | Contributor 
2024.06.29:Forbes Jpapn)より一部抜粋(下線は私が引きました);

 子どもが10代になったとき、多くの親は、わが子とのつながりが絶たれてしまったように感じて、こんなふうに嘆くことがある。

・「うちの子の心は、親からどんどん離れていっているようだ。親子関係はもう、以前とは違う」
・「子どもの成長があまりにも速く、関係を維持してついていくのに苦労している」
・「考え方などが食い違っていて、いくら努力しても、その溝を埋められない気がする」

 米ミシガン大学ヘルスシステムC.S.モット小児病院が2022年に実施した全米規模の世論調査によると、「思春期のわが子が問題を抱えていると思ったときは声をかける」と答えた親は82%に上る。ところが、「10代のわが子は、問題を抱えたら、親である自分に相談するだろう」と答えた親は4人に1人にとどまった。

 思春期は不安定な時期だ。変化が激しく、自分を発見しようとするプロセスで失敗することも多い。心の内に葛藤を抱え、仲間から認められたいと願い、アイデンティティを形成しようとする年ごろだ。だからこそ、無条件で頼ることができる周囲の支えが不可欠になる。思春期の子どもに安心感と帰属意識を与える上では、親の支えはとりわけ重要な役割を果たす。

 荒れがちな思春期という時期に、子どもとの確かな結びつきを維持するためには、次の点に留意してほしい。
1. 自主性を尊重する
 10代は、人生の新たな側面を見いだし、探っていく時期であるため、親はわが子の心が離れていくような気持ちになるかもしれない。親子の結びつきが絶たれる気がして、不安を覚えることもあるだろう。子どもが新しい人と交流し、友人をつくり、これまでにない体験を積んでいれば、なおのこと不安は募る。
 思春期の芽生えと、中学・高校への進学で、人生は新しい段階へと進んでいく。そうした時期に子どもたちは、仲間からのけ者にされたり、決めつけられたりすることを恐れる。それは、自分が世界中から見られているような気がするからだ。こうした、自分の外見や行動が他者から注目されていると過大評価する傾向を、研究者らは「スポットライト効果」と呼んでいる。
 人付き合いで危機感を覚えると、幼いころから親が注意深く教育してきた信念や価値観が揺らぐことがある。だからといって、親の影響が衰えてきているというわけではない。青年期心理学などを扱う学術誌のJournal of Youth and Adolescenceで発表された研究論文によれば、親の影響力が衰えてきているというよりは、ティーンエイジャーの子どもの世界が広がっているのだ。
 親は、思春期になった子どもに対しても、幼かったころと同じように接しがちだ。だから、子どもが以前と違う態度を見せると、不満を感じることになる。10代の子どもが、いつになく不機嫌に見え、以前より距離を取ろうとし、親と対立することも増えるかもしれない。それまでは問題なかったやり方が、不意に通用しなくなってしまうのだ。
 こうしたとき親は、子どもへの接し方を、次のような方法で現状に適応させることができる。

・親の権威を過度に振りかざさない
 成長に伴う子どもの変化を認めることが肝心だ。決めつけず、子どもの変化を心から喜び、受け入れよう。子どもをつなぎとめようとしすぎると、逆効果になりかねない。反抗するようになったり、コミュニケーションがいっさい取れなくなったりする可能性もある。むやみに威圧したり、「ああしろ、こうしろ」と求めたりするのはやめよう。それよりも、友好的な姿勢で子どもを導き、子どもの自主性を尊重する方がいい。

・受け入れ、順応する
 思春期の子どもを、ありのままで受け入れよう。自分の興味関心を広げ、人間として成長しつつある子どもに、親も順応し、個性を尊重し、大事にしよう。押し付けがましい態度をとらず、目の前にいる子どもを尊重するよう心がけよう。助けが必要なときはいつでもそばにいることを伝えつつ、けれども、子どもが自力でさまざまなことを乗り超えていけるような自由を提供しよう
 自主性を尊重し、自ら決断して過ちから学ぶよう励まそう。必要に応じてアドバイスしてもいいが、親の考えを押しつけることは避けよう。

2. 信頼関係を築く
 ティーンエイジャーは間違いを犯しがちだし、道を踏み外してしまうこともあるかもしれない。何よりも重要なのは、子どもが、助けが必要なときには親に相談できる、と感じられるような環境をつくることだ。そうした信頼関係は、一貫性があってオープンで、親身なコミュニケーションを通じて築かれる。
 では、子どもとの対話の糸口を維持できる方法を紹介しよう。

・好ましい家庭環境を維持する
 家族心理学ジャーナルのJournal of Family Psychologyで2023年に発表されたある研究で明らかになったように、混乱した家庭環境は、家族が健全にコミュニケーションをとる上でふさわしくない。つまり、何かと騒々しく、先が読めず、乱雑で、落ち着いた日常が送れないような家庭環境だ。

・子どもの話に、積極的かつ親身に耳を傾ける
 思春期の子どもが話をしているときは、口をはさんだり、解決策をすぐさま提案したりせず、耳を傾けよう。子どもの感情や体験を受け入れ、肯定し、共感を示そう。思春期の子どもは、何かと誤解されていると感じ、孤立感を抱きがちだ。しかし、親が熱心に話を聞くことで、そうした心の隙間を埋め、共感や肯定を示すことができる。

・対立的ではない姿勢で接する
 子どもが過ちを犯したときは、すぐさま説教をするのではなく、普通の会話の雰囲気を保つようにしよう。イエス・ノーでは答えられない質問をして、話を促すといい。例えば、「宿題は終わった?」と聞くのではなく、「今日、学校でいちばん面白かった授業は何?」といった具合だ。このようにアプローチすると、敵対的にならず、会話に引き込むことができる。

・一緒に何かに取り組み、ともに過ごす時間を増やす
 思春期の子どもは、世代や興味関心の違いから、親とのつながりを感じられないことが多い。スポーツや楽器の演奏、ビデオゲームなど、何でも構わないので、子どもの趣味に心から関心を示そう。そうすれば、子どもの好きなことを親も大切に思っており、尊重していることを示せるし、やり取りがより充実する。

 思春期にある子どもとの関係は、信頼を築き、決めつけずに支えることが基本だ。必要なのは、決めつけられる恐れがなく、親を信頼することができる、と子どもに感じてもらうことだ。
 親がいつもそばにいて、無条件で自分を支えてくれるとわかっていれば、つらいことがあったときに、きっと助言を求めてくるだろう。


…思春期に子どもが不登校になったとき、
子どもの話に口を挟んではいけない、
「フ〜ン、そうなんだ」
とうなづくだけでいい、
そうすると子どもはたくさん話してくれるようになり、
心も軽くなる…

これは起立性調節障害に関するWEBセミナーで聞いた内容です。


毒親は変わらない。

2024年07月07日 07時46分55秒 | 子どもの心の問題
一時期“毒親”という単語が流行りました。
いや、現在進行形かな…

するとみんな、
「自分の親はどうだったのかな?」
とか、
「自分自身は親としてどうなのかな?」
とか、考えがちです。

こんな記事が目に留まりました。
短いけど、示唆に富んでいます。

■ 「毒親」は変わらない 大人になって出てくるトラウマ、どう対処する
2024/6/30:朝日新聞)より一部抜粋(下線は私が引きました);
 東京都内に暮らすきょうこさん(53)は、母から精神的暴力を受けてきた。親の暴言やネグレクトが「毒親」にあたると知ったのは、ほんの数年前だ。 
「生まれてきたくなかった」毒親のトラウマでうつ病に、苦しむ53歳  高校を中退し、21歳で結婚したが、娘には障害があった。義父の介護もかさなり、30歳のとき、うつ病を発症した。夫との間もうまくいかなくなり、33歳で離婚。その2年後に再婚したが、夫は発達障害のグレーゾーンで、会話がかみ合わず孤独だった。 
 再婚から1年たつと、うつ病が悪化し、38歳のときに反復性うつ病と診断された。「もう死にたい」と自分を責め続けた。 
 母との連絡は断っていたが、東日本大震災の後、再びつながってしまった。ある日、母が突然、野菜とともに置き手紙を残していった。手紙にはきょうこさんの悪口が書き連ねてあり、「今日はこのぐらいにしとくわ」の一文で終わっていた。その瞬間、パニックを起こし、過去のつらい思い出がフラッシュバックとしてよみがえるようになった。 
 「母のことはもう、どうでもいいです」
  いま、母とは一切の連絡を取っていない。 
 子が親から受けた虐待のトラウマは、後年になっても当事者を苦しめ続けることがある。精神科医の片田珠美さんは、その背景には親の満たされない承認欲求があると指摘する。 
 子どもを支配しようとする「毒親」は、自身が抱いている不全感を子どもによって「一発逆転」し、解消しようとしている場合が多いという。 
 一方で、親から虐げられた当事者の多くが、過去のつらい記憶を心の奥底にしまい込んでしまう。抑圧された感情は抑え込んでも出てきてしまうため、フラッシュバックの苦しさからうつ病を発症したり、薬物やギャンブル、あるいは買い物や過食・嘔吐(おうと)など、様々なものに依存したりすることもある。 
 ただ、「いくら自分を痛めつけてみても、子どもを支配してきた親が変わることはほとんどない」と片田さんは指摘する。心に抱えるトラウマと向き合うには、自分の中で抑圧してきた負の感情を見つめ、何らかのかたちで「言語化」することが重要だとアドバイスする。 
 また、負の連鎖は自分で断ち切るのだという自覚を持つことも大事だという。その上で、「親を許さなくてもよいのだ」と思うことが重要だと話す。


…私は医師を生業としていますが、
これは親が望んだ職業で、
高校時代の私はいわゆる“文系”に進み、
文化人類学を専攻したいと思っていました。

しかし成績がそこそこよかった私に対する親の期待は大きく、
そういう家系でもないのに「医者になれ!」という強い圧力をかけてきました。

私の両親は戦争を経験し、
自分の夢を戦争によって奪われた世代です。
両親も成績がよかったようですが、
兄弟が多く経済的な事情で大学へ進学することは叶わず、
就職・結婚に落ちつかざるを得なかったと思われます。
その期待を勉強嫌いだった姉の身代わりに、
私が一身に背負うことになりました。

私はそんなプレッシャーの中、
努力して結果を出し続けることで青春時代を生き抜きました。
苦しかったけど、結果が出るとうれしかった。
私はこの現象を“楽苦しい”と呼んでいます。

さて私は、文系に進みたかったけど、
「両親のガッカリする姿を見たくない」
という思いが勝り、
理系へ進み、何とか医学部に滑り込んだのでした。

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、
大学受験の発表前に父親から、
「もし大学に落ちたら浪人は許さない、
 蕎麦屋に丁稚奉公に出す」
と言われ、傷つきました。
今考えると、ひどいですよね。
まあ、昭和時代はこんな父親がたくさんいたのです。

医師になったことで、親の期待に応えた、
これで無罪放免、と私はホッとしました。

が、これで終わりではありませんでした。

その後も医師になったらなったで、
「博士号はどうなっているんだ」
とか、さらなる出世を期待されました。

まあ、その期待にも応えてしまいました。

父親が病に倒れた際、
そのタイミングで海外留学の話が舞い込みました。
入退院を繰り返す父親の状態を見て、
私は留学を諦めました。

父親は闘病生活を続け、
両親は経済的に自立できなくなったため、
妻と子どもを連れて実家に入りました。

それ以外の選択もできたのですが、
それ以外の選択をすることを、
私自身が許さなかったのでしょう。

妻は寝たきりになった私の父を介護し、
看取りました。

年月が経ち、
子どもたちは独立し、
現在は年老いた母親と一緒に住んでいます。
ただ、毒親的つぶやきは今でも続いており、
距離を取るようにしています。

以前、
「私の人生は両親に翻弄された」
「私が人生の選択をする度に自分の自由が失われていった」
と母親に話したことがあります。
母親の反応は、
「よくある話よねえ…」
と他人事でした。
ああ、この人に何を言ってもわかってもらえない、
彼女は変わらないんだと実感しました。

私の両親が毒親の定義に当てはまるのかどうか、よくわかりません。
私は両親に感謝、あるいは同情する一方で、
その期待が重くて重くてつらい生活を強いられた一面もあります。

それがときどき、フツフツと湧き上がり、悩まされます。

ただ、私と同世代はみな、同じような経験をしているようです。
以前、プチ同窓会で集まったとき、
「親の期待が大きくてプレッシャーだった」
という話が出ました。
「親を憎んでないが、恨んでる」
という微妙な結論に落ちつきましたが。

時々帰ってくる姉にも同じ話をしたことがあります。
彼女は東京で働いています。
「なるほど、でもその選択をしたのはあなた自身でしょう」
とのコメント。

自分の自由を奪った親と複雑な思いをして一緒に生活している私に、
「当たり前」
「自分が選択したこと」
の言葉しかないことに愕然としました。

そう、私の行動は家族にとって「長男だから当たり前」なのです。
私は自分の親家族に期待することを止め、
距離を置くことにしました。
そうすると、少し心が楽になります。

これは戦争を経験した日本の家族の病理かもしれません。



親からの愛情をたっぷり受けた子の特徴は?

2024年07月07日 07時28分36秒 | 育児
興味深いテーマの記事が目に留まりました。
子どもを観察する際に役立ちそう…
いやいや、自分自身がどうか考えてしまいそう(^^;)。

私なりにまとめると、親の愛情が豊かということは、
・親が子どもの長所も短所も受け止めてくれる。
・だから子どもは安心して自由に行動できる。
ということに尽きるかもしれません。

あるあるなのが、「この子のためを思って…」とかわいがるのですが、
気がつくと親の希望や理想を押しつける“ゆがんだ愛情”になってしまうこと。
こどもは“叱られない行動”を取るよう誘導され、
自由度がない窮屈な生活になってしまいます。

■ 親からの愛情をたっぷり受けた子の特徴7選
 えらせん(作家)
2024/7/5:Yahoo!ニュース)より一部抜粋;

1.目標に向かって努力する
 愛情をたっぷり受けた子って、自己肯定感が高いです。だから「自分にもできる」って心から思えるようになります。例えば「将来はパイロットになりたいな」って目標を持ったら「英語の勉強頑張ろう」と自分から努力し始めます。親から「あなたならできる」って応援されてきたから、自分を信じてチャレンジする勇気があるんです。

2.学校であったことを話す
「今日、学校で何があったの?」って聞かれて、楽しそうに話す子は、家族との信頼関係がしっかりしている証拠。「話したら、ちゃんと聞いてくれる」って信じているから、学校での出来事を自然に話せるんですね。

3.自分のミスを認める
これは大人でも難しいこと。でも、愛情たっぷりに育った子は、ミスを認めることを恐れません。「失敗しても、愛されなくなるわけじゃない」って安心感があるから、素直に「ごめんなさい、自分が悪かった」って言えるんです。

4.わからないと言える
「わからない」と言うのって、実は勇気がいること。でも愛情たっぷりに育った子は、それを恥ずかしがりません。「わからないことがあったら、聞けばいいんだよ」って教えられてきたから、素直に「これ、わからないんだ」って言うことができます。

5.泣いてる友達を励ます
他人の気持ちに寄り添える子って素敵ですよね。自分が励まされた経験があるから、友達が泣いているのを見ると、自然と「大丈夫?」って声をかけられるんです。優しさの連鎖ってことですね。

6.親の仕事が将来の夢
これって、親子関係の良さを表しているんです。親の仕事を身近に感じて、「かっこいいな」って思える環境で育ったんですね。「僕もパパみたいな仕事につきたい」なんて言われたら、嬉しいですよね。

7.ありがとうが自然といえる
「ありがとう」をたくさん言ってもらってきた子は、自分も自然に「ありがとう」が言えます。感謝の気持ちをもって、支えあって生きていくことの必要性を理解しているんですね。

一見、「手のかからないいい子」は、
親の期待に添うよう努力し緊張を強いられています。
自分が否定されることを極端に恐れます。
1と2、それから6、5、7はかろうじて満たすかもしれませんが、
3と4は難しいような気がします。