大森第一小学校第40期卒業生同期会

卒業して幾星霜、さあ懐かしい面々と再会し、浮世の憂さも忘れて、思い出話に花を咲かせよう!

つぶやきの部屋136

2025-02-15 16:44:55 | Weblog

「憑依」

「霊などがのりうつること」と広辞苑にあるようにビリー・ホリディが、
その魂が、憑依したかのようにちあきなおみが演じたのが『LADY DAY』。
先日(2/3)、NHK-BSの18:45~19:30で放送された「アナザーストーリーズ」
で、僕にとっては垂涎ものの『LADY DAY』の、一部ではありますが、歌を
耳にすることができました。やはり録音されたものが遺っている!写真も
沢山遺されている!映像もあるのでは?
 「憑依」という言葉を使ったのは、訳詞を担当した吉田旺で、“ビリー・
 ホリディをちあきさんに憑依させる言葉を選ばなきゃいけないと思った”
 と番組内で語っている。
 今回は、一部使用ならと云うことでちあきがOKを出したのだと思うが…。 
 註)『LADY DAY』については、つぶやきの部屋126「歌を盗られたカナ
 リヤは」を参考にしてください。

僕が持っている初演時のパンフレット(後に手に入れたもの)には、ビリー・
ホリディが1959年3月の深夜にフィラデルフィア市の南部にある小さなバー
(Emerson's Bar & Grill)で最後に演じた曲として以下の曲がラインナップ
されています。
・「I Wonder Our Love Has Gone」
・「When A Woman Love A Man」 
・「What A Little Moonlight Can Do」
・「Crasy He Calls Me」
・「Gimme A Pig Foot」
・「Baby Doll」
・「God Bless The Child That'
・「Foolin' Myself」
・「Somebody's On My Mind」
・「Easy Living」
・「Strange Fruit」
・「The Man I Love」
・「Ain't Nobody's Business If I Do」
・「Them There Eyes」
・「Don't Explain」
・「Deep Song」

どれもこれもビリー・ホリディの短い生涯(1915/4/5~1959/7/17)の中で、
黒い肌がゆえの人種差別の苦悩と闘いの末に生み出されたものばかりですが、
ちあきの『LADY DAY』が上記と全く同じラインナップであったかどうか分か
りませんが、番組の中で『LADY DAY』でピアニストを演じた作曲家倉田信雄
は、「Foolin' Myself」がエンディング曲であったかのように語っています
ので若干の入れ替えがあったのかも知れません。
 ちあきが大きく腕を広げて涙して歌った。倉田ももらい泣きしたとも語っ
 ている。

番組では「Foolin' Myself」も触りだけ流れますが、僕が一番聴いてみたか
った「Strange Fruit」は前半部分をしっかり歌っていました。
邦題だと「奇妙な果実」(石原慎太郎の『狂った果実』(Crazed Fruit)は
題名もパクった?)。
原詞は、

Southern trees bear strange fruit,
Blood on the leaves and blood at the root,
Black bodies swinging in the southern breeze,
Strange fruit hanging from the poplar trees.

Pastoral scene of the gallant south,
The bulging eyes and the twisted mouth,
Scent of magnolias, sweet and fresh,
Then the sudden smell of burning flesh.

Here is fruit for the crows to pluck,
For the rain to gather, for the wind to suck,
For the sun to rot, for the trees to drop,
Here is a strange and bitter crop.

ですが、憑依を促すために吉田が付けた詞は、
(見出し画像の中央下部に載っています)

南部のポプラの枝にや
奇妙な黒い実がうれる
その実を風が揺するたび
したたり落ちる 血の涙
のどかな町 南部に
首吊られた魂
悼むように香る
モクレンの花の白さよ
カラスどもに ついばまれ
雨風にたたかれて
いつか腐れおちてゆく
黒い奇妙な果実よ

ビリー・ホリディは44歳で生涯を終えますが、ちあきがマイクを置いたのも
同じ44歳のとき。憑依は怖い。(;´Д`)


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