かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 1の56

2020-07-27 18:45:43 | 短歌の鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究⑥(13年6月) 『寒気氾濫』(1997年)橋として
       参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      司会と記録  鹿取未放
                   

56 鮑焦(ほうしょう)は木に抱きつきて死にけるをさやさやと葉は黄にかわりゆく

 ★本を探したけど、この鮑焦のお話は分からず、図書館の人がインターネットで
  調べてくれました。(崎尾)
 ★この鮑焦のお話は「荘子」という本の「盗跖」にあります。鮑焦という人は清
  廉潔白にこだわっていて、世間の奴らは清廉潔白でないと非難して孤立し、と
  うとう木を抱いて自殺しちゃった。「盗跖」には他に6人ほどいろんなケース
  をあげているんだけど、これらの人は本質を考えず、命を軽んじて、寿命を養
  うことが出来なかったとして荘子は否定しています。(鹿取)
 ★そうすると偽善者が死んでも、抱きつかれた木は関係なく黄葉するときには黄
  葉する。自然界の超越した様を詠んでいるということですか。(曽我)
 ★ほんとうは人間と自然との関わりは大いにあるわけだけど、この歌では人間世
  界の良いとか悪いとか何だとかかんだとか関係なく自然界は巡っているという
  ことなんでしょうかね。(鹿取)



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