かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞

2020-06-18 18:45:18 | 短歌の鑑賞
     ブログ版清見糺鑑賞 4  
          かりん鎌倉支部  鹿取未放  


21 精神の糸でつないで〈なにせうぞ〉肉のよころび肉のおとろえ
                 「かりん」94年12月号

 山かっこの中の〈なにせうぞ〉は、旧かなづかいになっていて、『閑吟集』の有名な「なにせうぞ、くすんで。一期は夢よ、ただ狂へ。」の引用であることを示している。20番歌(晩年のロダンのように苛めぬく粘土、つめたいおんなのからだ)と共にかりんの同じ号に載る歌で、遊びやかりそめでつながっているのではない、精神の濃密な交流があるのだ、と弁解しているのだが、歌の主意は自身の肉体の衰えの不安なのだろう。



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