かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 25

2022-03-18 14:47:59 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の3(2017年8月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【四葉鵯】P19~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子    司会と記録:鹿取未放


25 にんげんの時間は背骨のなかにある樅を見上げてわれ息深し

     (レポート)
 人類として経てきた時間を尾てい骨に残す背骨に思いを致す。その遙かな感覚に「われ息深し」なのだ。(慧子)


     (当日発言)
★背骨の中に進化してきた歴史が刻まれているんですね。上句は見方によっては理屈っぽいのです
 が、下句は樅の木と〈われ〉が交流し合っていて暖かくて深々としたよい歌だなあと思います。
   (鹿取)
★「われ息深し」に時間が流れていていいと思います。(真帆)

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