私は絶対いい人にはならない

ま、今さら感が強いタイトルでスマン。

ママ友が死んだ。
彼女とは闘魂ちゃんが幼稚園の時からだから
かれこれ20年のつきあい。

この人はいいなと思えるママ友にはなかなか出会えんもんだが
彼女は若くて可愛くて
でもヤングなママにありがちな「オバサンは相手にしないぜ」
みたい所がなくて、誰に対してでもふつうに接していた。

しかも「誰それくんのママってこーなんだって」的な話をしない。

私はかなり彼女のことを気に入っていた。

だから彼女がやっている宅配のサービスも
別にすすめられてもいないのに契約して
月に一回は彼女に会っていた。

一年半くらい前だったか
「な～んかさ、調子が悪い悪いって思ってて病院に行ったら
検査入院をしてくださいって言われてね。
だから来月から他の人にかわるね。」

そう彼女が笑って言った時、もちろんいやな予感はしたワケだ。

でも最近の医療ってすごいじゃない。
だからあと一度か二度は復活してくれるんじゃないかと思ってた。

結局そのあと数回彼女とはメールのやり取りをしたが
お見舞いにはいかなかった。

「よかったら、お見舞いにいかせてください。」と送ったメールが最後だった。


たった一年半で、彼女はいってしまった。

斎場で彼女の名前が大きく掲げられているのをみて
あぁやっぱり本当に死んでしまったんだなとつぶやいた。

中に入ると赤いドレスをきた彼女の遺影があって
本当に若くてきれいで、ただぼーっと小さな棺をみていた。

出戻り義姉が、棺の顔のところをあけて
弔問客に死に顔をみせている。

あぁやっぱあの出戻り、デリカシーがねぇな。
自分の死に顔なんて、親族以外の誰に見られたいかよ。
あぁそーいや彼女をいびってたあの因業ババア（姑）はどこだ？

あ！いる！！
何をてめぇそんなシルバーカツラかぶってやがんだ？
涙ひとつこぼしやがらねぇな！

ところが棺に花を入れる段になってその姑が
まるでドサまわりの演劇のように
大きな声で叫びだした。

今までありがとうだの
若いかーちゃんがたくさん参列してくれてうれしいだの
これからも孫をよろしくだの言っている。

ちょっとしたパフォーマンスなんじゃね？
ふつう嫁に先に死なれたら、そんな元気残ってないんじゃね？？

彼女とのつながりが見えない私の知り合いが一家で座っていた。

あれ？親戚なのかな？
よほど仲が良かったのかな？
ね？どーなの？？□□さん
あとでメールできいてみようかな・・と、思いつく。

彼女は死んだのに。

街角ですれ違う感じがする。
できたらすれ違いたい。スーパーで出くわしたい。

彼女のメルアドは〇〇〇-daisuki@...。
子供の名前を入れたアドレス。
彼女が愛した彼女に激似の末っ子ちゃんは、これからどうなるのかな。

友人を亡くしたのは何人目だろう。

10年ほど前にいってしまった藤原のりか似の彼女も
本当に人の悪口を言わないいい奴だったな～。
嫁ぎ先とも仲良くしてて、いい嫁もしてたな～。

あの時も美人薄命だと思った。

今一番仲のいい友達に
「アンタさ、美人はやめられないだろうから、いい人やいい嫁をやめなさいね！」って
メールした。

おかげさまで、その理屈から言えば
私はたぶん大丈夫。