昨日の16日、1964年の新潟地震から59年が経過した。団地の倒壊や石油コンビナートの破壊等の甚大な被害となった。時の大蔵大臣田中角栄は故郷新潟県の惨状を見て、また住民の生活困窮の原因となった火災保険の地震免責の実態を問題視して、今後、東京や大阪などの大都市で大地震が起こった場合にこのままでは国民の生活再建が非常に困難となることを憂いて、現在の政府が全面バックアップする地震保険創設を提言し保険会社は渋々応じて1966年に官民が共同で運営する制度を創設した。
この新たな地震保険制度が誕生しなかったら後の阪神淡路大震災や東日本大震災では火災保険が地震免責となり、関東大震災と同様に保険会社への不満がさらに爆発していたことになる。
最近の記事でアメリカの保険会社が自然災害による大規模火災を敬遠して新規火災保険の契約締結を拒否するとの報道があったが、日本でも台風だけでなく線状降水帯等の災害で保険会社経営に暗雲となっている。保険料の値上げや古い建物は火災保険を結べないような動きも報道されている。
地震保険も保険会社の財源が既に枯渇状態との決算内容公表から地震保険は大丈夫なのかと疑うが、見えてくるのは国の全面バックアップがあるからこそ地震保険制度が続き成り立っている証であり、田中角栄が国民のために約60年前に作った地震保険の法律の大切さを痛感する。比較して今の政治家のだらしなさがよく理解できる。