先月末、ミニ保険会社の日本震災パートナーズ(株)から、「地震リスク簡易診断」サービスが開始された。同社のホームページ上で居住地域の地震発生危険度を7段階で診断できるサービスとのことで無料。
http://jishin.co.jp/index.html (日本震災パートナーズH.P.)
早速、自宅所在地を診断してみた。30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率が50%以上がSランク、以下は25%以上50%未満がAランク、10%以上25%未満がBランク、3%以上10%未満がCランク、1%以上3%未満がDランク、0.1%以上1%未満がEランク、0.1%未満がFランクの7段階に分類され、独立行政法人防災科学技術研究所の研究成果を基に全国を1,330地域に細分化した診断だ。結果は「危ない!」といった高ランク。
念のためランクが低い結果となっても安心してはいけない。日本全国地震が発生しない場所はないことに注意だ。これまでも2004年に発生した震度7の新潟県中越地震、2005年の震度6強に見舞われた福岡県西方沖地震は誰も予想していなかったはずだ。どちらも活断層であり、2003年の宮城県北部地震も予想される海溝型地震ではなかった。阪神淡路大震災でも30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率は当時0.4%~8.0%であったとのこと。油断してはいけない。震度5弱以上となると全国は危険度高ランクになる。やはり日本に住む限り「地震リスク」と同居しなければならない。ランク付けは地震リスク評価を誤解しかねない。ランクが低いところで震度6弱以上の地震が起こり被害がでても誰も補償してくれない。
身近に地震リスクがわかっても実際に防災行動に移せるかどうか。耐震化が進んでいない現状をみると巨大地震が来るのがわかっていても防災行動にでる人は少ない。昨年の千島列島地震での津波注意報が出された岩手県釜石市の親子の行動調査について10日の河北新報(仙台市本社)が報じている。記事によると津波注意報が発令された際、避難の必要性を感じた子どもたちの6割以上が、家族から「避難しなくても大丈夫」と言われていたことが明らかになったとのこと。子どもたちは日ごろから学校で防災教育を受けていたとのことで、あらためて我々大人の防災教育の必要性を感じた。子どもの中には逃げようと言ったら馬鹿にされたとか津波が来るわけがないと怒られたとか悲しい現実にがっかりした。
昨年は大きな地震もなく平穏な1年であったことが、逆に人々から地震リスクについての興味が徐々に薄れることになってしまった感がある。安倍内閣も今国会での地震対策の明確な政策を出していないのではないだろうか。近い将来発生する巨大地震について色々な面から政策論議を展開していただきたい。被害が発生した後は国会でも白熱した論議となるが、防災、減災面での与野党白熱した論議となることを期待したい。
画像は地震調査研究推進本部が公表した「今後、30年以内に震度5弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」