NTTコミュニケーションズが気象庁の緊急地震速報を、インターネットで個人向けに提供する実験を12月4日から来年3月末までの期間始めるとのこと。
すでに鉄道会社等へは本格運用されているが、一般国民向けに速報する本格運用は来年とされており、新築マンションへの導入を筆頭に商品化され火災発生の抑制、エレベーターの閉じ込め回避が期待されている。
実験に参加してみたい。
国の地震調査研究推進本部の「日本における被害地震の発生頻度に関する統計分析」によると、過去200年間に発生した内陸被害地震(死者50人以上)は23回、そのうち11回が主要断層帯に関連する地震とのこと。また、過去200年間に発生した海溝型被害地震(死者50人以上)は11回とのこと。これらから、内陸被害地震は約10年に1回、主要断層被害地震は約20年に1回、海溝型被害地震は20年に1回となる。
しかし、観察期間が200年と短く一概に発生頻度が正しいとは言えない。観察期間をさらに遡るための地震データがあっても記録が正しいかどうかの問題も生じる。また、日本を点とした発生頻度であり、全国都道府県別、市区町村別、1kmメッシュ等の点でみた場合にはそれぞれの発生頻度のイメージは異なるはずだ。まして被害が予想される地震単位でみた場合の発生頻度のイメージも異なる。
地震単位でみた発生頻度であるが、地震調査研究推進本部での今後30年以内に発生する確率として公表している。2006年1月1日基準での発生確率は以下のとおり(30年確率の高い順)。
※東海地震 (M8程度) 確率87%(参考値)
2006年1月を基準としていることから、これからの地震発生カレンダーをみたいところであるが、どの地震の順番で発生していくのかは一切公表されていない。素人考えで確率の高い順番で起こっていくことを考えると、宮城県沖地震が筆頭になるのは明白だ。しかし、向こう30年での日本における最大の被害地震は確率順位8番目となる「その他の南関東のM7程度の地震」すなわち「首都直下地震」となる。国の試算でも経済被害は112兆円、金融・証券市場、企業の倒産等の混乱等は被害額に見込んでいないことからさらに経済被害額は大きなものとなることが予想される。
今後の地震学等の科学技術がさらに進歩すれば、過去不可能であった地震予知が少しでも前進し天気予報ならぬ地震予報が毎日発表されるかもしれない。
(画像は地震調査研究推進本部公表資料より「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図)