東日本大震災では広範囲で住宅の被害が発生したが、津波で被害が生じた地域での復興計画が進まず、その地での住宅再建か、高台や他の地域への移転による住宅再建か意見が分かれている状況だ。
一方、住宅再建には多額の資金が必要となる。これまで防災預金の必要性と地震災害の補償を行う保険・共済商品等の購入を唱えてきた。その前提条件としてはもちろん住宅の耐震性に積極的な投資を行うことだ。今回のように地盤、津波被害を考えた場合にはさらに厳しく地震災害対策投資を検討しなければならない。個人だけでなく企業も同様だ。
<住宅金融支援機構 ハウジングファイナンス>
東日本大震災では、津波被害、液状化被害、地盤被害を除き、地震動で建物の倒壊にいたる被害は少なかったとされる。しかし、今後起こる地震でも被害が発生しないという保証はない。今回は地震動が建物を倒壊させるキラーパルスではなかっただけであり、例えば、首都圏の関東平野は揺れやすい地盤が特徴であり、そこにキラーパルスの震度6強以上の揺れが起きれば多数の建物被害が発生する。
首都圏の被害をみると今回の東日本大震災では、普段生活の場所で被害にあったケースが多い。死者が出た八王子の大型店駐車場崩壊や九段の九段会館での天井崩落、湾岸部のマンション、住宅が建ち並ぶ浦安での液状化被害、オフィス街では新宿の高層ビル群の被害、首都圏全域での高層マンション上階での内部被害が特徴的であった。火災も東京都で30件以上発生したとされ、時間帯が昼食時、夕食時であったならば発生数はさらに増加したことだろう。
今回注目したのが、マンションでの地震対策が見直されている点だ。これまで、マンション管理組合もマンション業者も地震対策に重点がおかれていなかった。居住者で結成される管理組合では地震時の避難、安否確認、停電対策、火災消火、津波対策等を取り決めているところは殆どない。また、地震に備え非常灯や自家発電設備、共用部分の地震保険、地震時マニュアル等を準備しているところも少ない。万一、被害が生じた場合の復旧資金シミュレーションもない。すべて地震が起きてからの状況だ。
東日本大震災を教訓に、マンション管理組合、マンション業者では地震対策に力を入れ始めた。
<参考:nikkei 住宅サーチ 第139回 マンション管理組合は「地震リスク」とどう向き合えばいいのか?>
http://sumai.nikkei.co.jp/edit/kanri/detail/MMSUm0000031032011
<参考:社団法人 高層住宅管理業協会 東日本大震災 被災状況調査報告>
http://www.kanrikyo.or.jp/news/data/hisaihoukoku110519.pdf
菅直人前首相が明かした衝撃の事実は、もし本当に起こっていたら小松左京の日本沈没が現実となったことだろう。地震国日本には原発は危険すぎるのではないだろうか。
<共同ニュース>
津波、高さ36メートルも? 500年前の明応東海地震(朝日新聞) - goo ニュース
大震災の津波到達時、都の2水門など閉鎖失敗(読売新聞) - goo ニュース
これまで日本人の多くは津波に襲われるリスクを過小評価していたのではないだろうか。東日本大震災での教訓を踏まえ、次の津波に備えた対策が必要だ。