2010年も後残すところ1か月。2011年を迎えるにあたり、2000年から2010年の10年間に起こった日本での地震災害を振り返ってみたい。
戦後最大の被害となった1995年の阪神淡路大震災(地震名は1995年兵庫県南部地震)以降、2000年までの4年間は鹿児島薩摩地方や岩手県内陸北部で震度6弱の地震により建物被害はあったものの死者を出す大災害は発生しなかった。しかし、2000年に入り事態は一変する。
2000年7月に新島・神津島近海地震(M6.5)等の連続地震が発生し、最大震度6弱、5年ぶりに地震による死者1名を出した。幸にも死者は出なかったものの2000年10月6日には最大震度6強の2000年鳥取県西部地震(M7.3)が発生し、住宅全半壊3,536棟の被害を出した。2001年3月24日には最大震度6弱の2001年芸予地震(M6.7)が発生し、死者2名、住宅全半壊844棟の被害となった。
2003年になると不吉な奇数月の26日に被害地震が発生した。5月26日に最大震度6弱の宮城県沖地震(M7.1)が発生、7月26日には最大震度6強の宮城県北部地震(M6.4)が発生し住宅の全半壊5,085棟の被害となり、9月26日には最大震度6弱の2003年十勝沖地震(M8.0)が発生し、津波は255cmを記録、死者・行方不明者2名、住宅の全半壊484棟となった。
2004年には政府地震調査研究推進本部が予想もしなかった新潟県で大きな地震が発生した。10月23日に最大震度7を記録した2004年新潟県中越地震(M6.8)が発生し、死者68名、住宅全半壊16,985棟の大災害となった。
2005年3月20日には最大震度6弱の福岡県西方沖地震(M7.0)が発生し、地方都市福岡市で被害となった。2005年8月16日には、また宮城県沖で宮城県沖地震(M7.2)が発生し、負傷者100名の被害となった。
2007年では3月25日に最大震度6強の2007年能登半島地震(M6.9)が発生し、死者1名、住宅全半壊1,426棟の被害となった。その7月16日には今度は新潟県上中越で、最大震度6強の2007年新潟県中越沖地震(M6.8)が発生し、東京電力の原子力発電で火災が発生し世間を驚かせた。死者は15名、住宅の全半壊は7,040棟の被害となった。
2008年には6月14日に最大震度6強の2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)が発生し、死者・行方不明者23名と山間のリゾート地での観光客に大きな被害となった。その1か月後、7月24日には最大震度6弱の岩手県沿岸北部地震(M6.8)が発生し、死者1名の被害となった。
2009年では8月11日に駿河湾地震(M6.5)が発生し、死者1名、東名高速道路の崩壊等の被害となり、また、静岡県民はじめ日本全国で「東海地震が発生か!」と一時緊迫した。
今年である2010年は幸にも最大震度6弱以上の地震は発生していない。しかし、2月27日には沖縄本島近海でM7.2の地震が発生し、最大震度5弱を記録し、比較的地震災害がないとされる沖縄の神話が崩れた。101年ぶりの沖縄近海での地震であり、震度5クラスは99年ぶりの地震であった。また、翌日には、チリ地震津波が全国に襲来し、17年ぶりに一時大津波警報が出され、首都圏の交通機関へも影響を及ぼした。
この10年は今後、日本が地震の活動期に入ったことを教えてくれる。政府地震調査研究推進本部が公表している地震発生確率である向こう30年で表す数字は、今から準備しておきなさいとの警告である。いつ起きるかが今後の科学の進歩で解明されれば、1年単位、1日単位で地震予知ができるかも知れない。