今年もあと6時間余り。海外ではハイチ地震など大きな地震が発生したが、今年は日本では大きな地震もなく平穏な一年であった。
大地震に備え、国、地方自治体を挙げて個人住宅の耐震改修や建て替えの推進が行われているが、個人財産でもある住宅の耐震化がなかなか進まない状況だ。資金補助があってもそもそも耐震改修の資金がない世帯が多い。自然に世代交代による建て替えしか方法がないのが残念だ。何か良いアイデアはないものか。ビジネスにつながればなおさら良い。
個人向けの地震ビジネスはあらゆる分野で今後注目される。住宅の耐震化、家電化による個人向けの緊急地震速報の普及、地震情報ビジネス、国・民間保険会社、ミニ保険会社に代表される地震災害補償商品の充実、地震リスク証券化による個人向け金融商品、エア免震等の耐震以外の技術導入や地域の防災推進、次代に大地震が襲う若年層世代への防災教育、不断の地震防災商品の備蓄など個人が「安心を買う」ためのビジネスが注目されても良い。大きなビジネスチャンスではないだろうか。そのための新たなビジネスモデルの構築が行われる2011年であってほしい。
今後、大地震は確実に発生する。止める、減らすことはできない。止められる、減らすことができるのは地震被害。減災に転換した国の方針が個人レベルに浸透するには地震ビジネスがいかに成熟するかにかかっているのではないだろうか。
良いお年を。