欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.4

2013年10月24日 08時44分04秒 | 建築のうんちく



『コンクリートはヒビが入って当然な理由!』



皆さんは、「コンクリート」に使う「セメント」を、砂や砂利を入れないで、

練って、固めた事が、ありますか?



一度、どうなるか、やってみて下さい!



「セメント」は、ホームセンタ-に行けば、比較的安く買えます。

ただ、その際に、ほとんどの「セメント」は、「モルタル」の材料にする

目的で、「砂」が混入していますので、必ず、「セメント100%」の商品

を買って下さい。



その「セメント」に、規定の水を加えて、良く練り、固めてみましょう!

すると、水を加えてすぐに、粘った様な感じになりますね。


これは、「セメント」が「水」と反応して、固まりかけて居るのです。

その時に、「熱」も出て温かくなります!



その「セメント」を、何か水を通さないビニールの上に、お好み焼きを焼く

みたいに、のせて、固めましょう。



暫くすると、「セメント表面」が、ヒビ割れて来ます!

まるで、お正月の鏡餅にヒビが入るみたいですね^^



そうなんです!

「コンクリート」にヒビが入るのは、もともと、その材料の「セメント」自体

が、固まる時に、「ヒビ割れる性質」を持っているからなのです!



ですから、「コンクリート」にヒビ割れが生じるのは、ある意味「当たり前」

の事です。


「微細なヒビ」まで、「欠陥だ!」と騒ぐ、「怪しげな建築技術者」は、

ただ、「建物調査」でカネが欲しいから、こんな事を言う訳です!




では、なぜ、「セメント」が固まる時に、ヒビが入るのでしょうか?



そもそも、「セメント」は、石灰岩からつくった「建築材料」です。

固まった状態では、非常に脆い物質です。



ですから、「セメント」が固まる過程で、内部に「応力」(力)が、発生

すると、「引っ張る力」が作用した場所は、「ヒビが入る」訳です!



物理学の話になりますが、「引っ張る力」があると言う事は、「押す力」

も同時に発生している事になります。

「プラスの力」と「マイナスの力」が、打ち消し合い、釣り合った状態

になっているからです。



先ほど、「セメント」を練ると、「あたたかくなる」と、説明しましたが、

この時に、「セメント内部」では、化学反応が起き、セメントの粒子の

回りから、角の様な結晶が成長し、セメントの粒子同士が、おしくらまんじゅう

している訳です。



だから、「温かく」なる訳です!



この時に、温度が上昇し、「セメント」内部に「膨張」が、起こります。

この「膨張」で膨らむ力が、「押す力」なのですね。




…これが、「コンクリート」にヒビが入るメカニズムなのです!



でも…

あまり、ヒビが入っては、「建築材料」として使いにくいですね!

そこで、「骨材」と言われる、「砂利」や「砂」を添加する訳です。



「骨材」を入れる事によって、「セメント」が「硬化膨張」するのを、抑える

事が出来る訳です。



…しかし、その時に、「コンクリート内部」に「眠った応力」が残ったまま

「コンクリート」が、固まってしまいます。



その「眠った応力」が、「アルカリ骨材反応」と一緒になって、悪さをします!

古くなった「コンクリート」は、自己崩壊を始める場合が、あるのです。



…これが、「コンクリートの癌」と言われる「アルカリ骨材反応」の、メカニズム

ですが、この内容は、かなり専門的なので、またの機会に…




これで、「コンクリート」には、ヒビが入るのが、当たり前な事が、お分かり

頂けましたか^^


『万物は、常に変化し、原型をとどめる事は、無いのです!』

『全ては、諸行無常!』

『家を愛するのは結構ですが、もっと、人を愛し、争わない様に!』

『欠陥裁判をやりたがる、弁護士や、インスペクターを遠ざけましょう!』



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