欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

大阪西成の崩れた石垣(擁壁)の責任は誰にある?

2021年07月02日 10時25分57秒 | 擁壁

2021年6月25日、擁壁の上に建つ住宅が崩れ落ちる映像が、ニュースなどで放映されました。

 

擁壁上の木造住宅が、崖下に落下し、瓦礫と化したことに関し、建築土木の専門家としてコメントします。

 

 

まず最初に、大阪市の松井市長は当初「市に責任はない。これは工事業者と住民との民民の問題である。」と答えました。

 

これは大きな間違いです。

 

『大阪市にも大きな責任があり、”知らない” ”関係ない”では済まされません。』

 

 

 

その根拠ですが、

 

問題の崩れた擁壁は、『現存不適格擁壁』と言われるもので、いつ崩れてもおかしくない問題のある擁壁でした。

 

そもそも2mを超える擁壁を造る場合は、行政に申請を出して、行政が受理すると、

「この擁壁は安全なものです。」

とお墨付きとして、検査済証が発行されます。

 

 

西成の問題の擁壁は、行政が検査済証を出したのでしょうか?

 

 

 

さらに、おかしいことがあります。

 

現在の建築基準法は、約70年前にできましたが、崖下に落下した住宅(建物)は、どう見ても、現行法の建築基準法以降の建物です。

 

 

つまり、行政が建築確認を受けて、許可したので、危険な擁壁の上に住宅(建物)が建っていることになります。

 

当然ですが、もし、崩れそうな擁壁の上に住宅(建物)を建てようとした場合、通常であれば、行政は許可しません。

 

 

問題の西成の擁壁は、どう見るべきでしょうか?

 

 

誰が見ても、これは危険な擁壁であり、住宅など建てることは考えられません。

 

 

 

こんな危険な擁壁の上に、住宅を建てることを許可した行政は、どうしようもないアホ・バカ・マヌケです。

 

 

行政の失態を誤魔化そうとした大阪市の松井市長は、日本の恥です。

 


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