2021年6月25日、擁壁の上に建つ住宅が崩れ落ちる映像が、ニュースなどで放映されました。
擁壁上の木造住宅が、崖下に落下し、瓦礫と化したことに関し、建築土木の専門家としてコメントします。
まず最初に、大阪市の松井市長は当初「市に責任はない。これは工事業者と住民との民民の問題である。」と答えました。
これは大きな間違いです。
『大阪市にも大きな責任があり、”知らない” ”関係ない”では済まされません。』
その根拠ですが、
問題の崩れた擁壁は、『現存不適格擁壁』と言われるもので、いつ崩れてもおかしくない問題のある擁壁でした。
そもそも2mを超える擁壁を造る場合は、行政に申請を出して、行政が受理すると、
「この擁壁は安全なものです。」
とお墨付きとして、検査済証が発行されます。
西成の問題の擁壁は、行政が検査済証を出したのでしょうか?
さらに、おかしいことがあります。
現在の建築基準法は、約70年前にできましたが、崖下に落下した住宅(建物)は、どう見ても、現行法の建築基準法以降の建物です。
つまり、行政が建築確認を受けて、許可したので、危険な擁壁の上に住宅(建物)が建っていることになります。
当然ですが、もし、崩れそうな擁壁の上に住宅(建物)を建てようとした場合、通常であれば、行政は許可しません。
問題の西成の擁壁は、どう見るべきでしょうか?
誰が見ても、これは危険な擁壁であり、住宅など建てることは考えられません。
こんな危険な擁壁の上に、住宅を建てることを許可した行政は、どうしようもないアホ・バカ・マヌケです。
行政の失態を誤魔化そうとした大阪市の松井市長は、日本の恥です。