欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

ある欠陥?事件の『鑑定書』に疑問!! No.2

2013年11月06日 08時45分59秒 | 欠陥建築(欠陥住宅)レポート



『最初から鉄筋が錆びて居た可能性が濃厚!』



No.1に続き、あるマンションの「欠陥?裁判」に提出された、施主側の

建築士から提出された「鑑定書」の疑問に付いて書きます!



No.1では、建物から切り取った「コンクリートサンプル」が、コンクリート

の「打ち継ぎ部分」だった為に、コンクリートのサンプルが「真っ二つ」に

割れた件を、「これは、当たり前である!」と書きました。



今回は、その続きです。…



そのサンプルを抜き取った穴から覗くと、このサンプルを切り取った時に、

一緒に切断された「鉄筋」が、「証拠?写真」には写って居ました。



そして、その「鉄筋」の切断面周辺が、錆びているから、これも「欠陥」による

「サビ」であると、原告側の建築士は、主張しています。





…ここで、建築の素人の皆さんに、知って頂きたい事があります。…



『鉄筋は、錆びて居て良いのです!』

『むしろ、赤く錆びた鉄筋の方が、コンクリートと、しっかり密着します!』

『建築中に鉄筋が錆びてから、コンクリートを流すのは、普通です!』



これは、「建築」を勉強した人なら、誰でも知って居る事なのです!





もし、原告側の建築士が、この鉄筋の「サビ」も「欠陥」が原因であると、

主張するのであれば、その「サビ」がいつの時期に発生したのかを、「科学的」

に証明しなければ、なりません。



この「事件」の「鑑定書」では、それが、全く示されていません!

これでは、最初から、「鉄筋が錆びて居た!」と、被告から「反論」されたら、

勝ち目はありません。




…それから、もう一つ気になった事が、…




コンクリートに「作業中に発生したゴミや木屑」が混入していると言うのです

が、これも、「欠陥」でも何でもありません。



もし、大きな「木片」が入って居れば、「コンクリート強度」に悪影響を与え

ますが、「小さな木片」が混入した位では、何の影響もありません。




この裁判は、一審で負けて居ますので、「ゴミみたいな証拠」も出したいので

しょう。




ほとんどの「欠陥建築裁判」では、施主が「ボロ負け」している現実を、

良く、知って下さい。



裁判官は、建築の素人ですが、『馬鹿でもなさそうです!』



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある欠陥?事件の『鑑定書』に疑問!! No.1

2013年11月05日 08時44分38秒 | 欠陥建築(欠陥住宅)レポート



『コンクリートは、科学的に接着しないのが、当たり前ではないか!』



欠陥建築における「裁判」で、建築士が建物を調査して、証拠に提出する

報告書を「鑑定書」と呼びます。



私の場合は、「鑑定書」と言わずに、単に「調査報告書」と呼びます。



「鑑定書」と言う呼び方は、「如何にもいやらしい!」からです。

何か、「自分は、専門家だから、絶対に間違いはないんだ!」



…みたいな、妙な威圧感さえ感じるのです!

…それが、『本当に正しいならば!』…




私は、あるマンションでの「欠陥?建築裁判」に提出された、「鑑定書」

を見る機会がありました。



そこに書かれている「欠陥?の証拠」を見て、もう、吹き出しそうになり

ました。…




マンションの工事が、欠陥と主張する、施主側の「建築士」は、マンション

の基礎部分の「コンクリートサンプル」を切り取って、そのコンクリート

が欠陥なので、「サンプルが、真っ二つに割れた!」と、主張しています。



このサンプルを採取した箇所は、コンクリートを打ち継いだ部分です!

つまり、もともと、「最初のコンクリートと、後のコンクリート」が、

科学的に「接着していない!」箇所なのです。



普通、「コンクリートのサンプル」は、円筒状に抜き取ります。



そして、今回の様な、「打ち継ぎ部分」のサンプルを採取しようと思えば、

目で見て確認出来るので、そこのサンプルを採取すれば、良い訳です。



もし、「打ち継ぎ部分」以外のコンクリートサンプルが、「真っ二つ」に

別れたら、それは「異常」です。


「打ち継ぎ部分」のサンプルは、建物から抜き取り、軽く「ハンマー」で

衝撃を与えれば、「真っ二つ」に割れます。



『むしろ、これが、普通ですし、当たり前です!』




マンションに限らず、一般の木造住宅の「ベタ基礎」の「底面」と、

「立ち上がり部分」の境目のコンクリートサンプルを、採取しても、

同じ様に、「真っ二つ」に割れます。



…この様に、コンクリートは、「科学的に接着しない物質」なので、

「機械的に連結」させる為に、「鉄筋」を入れるとか、「骨材」と言われ

る「砂利」を入れるのです。





私は、ある機関で、「コンクリート」の研究をしてきました!

ですから、今回の様に「サンプルが真っ二つ」の写真を見ても、びっくり

しませんが、一般の素人の人は、「これは、欠陥だ!」と、勘違いする

可能性があります。



…おそらく、「それが、狙い」なのかもしれません。

建築の素人の「裁判官」は、びっくりするかもしれませんね。




…実は、私が見た「鑑定書?」の裁判は、一審で「ぼろ負け」だったのです。

二審でも、こんな、どうでも良い「証拠」を出す様では、かなり厳しい状態

なのでしょう。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地球の貴重な資源を、80tも使う!

2013年11月03日 09時53分30秒 | 建築のうんちく



『人が生きる事は、資源を消費する事也!』



皆さんは、一軒の家を作るのに、地球上の資源を、どれだけ消費するか、

ご存知でしょうか?



『答え、80tも資源を使います!』



セメント、砂利、材木、アルミニュウーム、鉄…その他、沢山の資源を

必要とします。



しかも、そのほとんどが、外国から運ばれて来ます!



私達は、家を建てると言うと、「お金の事ばかり考える。」訳ですが、

もう少し、貴重な、地球の資源を無駄遣いしている現実も、考えて

頂きたいです。



…物質的に豊かな事が、幸せとは限りません!

家を、持っていても、「心の貧しい人は、不幸です。」



ちょっと、家の出来が悪いだけなのに、「欠陥!」「欠陥!」と、言って

裁判をする人は、家を持たない人よりも、「不幸で貧しい方」です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする