先日終わった大阪国際女子マラソン、
大会前には出場選手のさまざまなコメントや
抱負が新聞やテレビを賑わした。
月間1000km以上を走ったので、終盤の粘りに期待できるであろう
とか
ハードな高地トレーニングをこなしてきたので私は負けない
といった一流選手たちのそんな言葉が
いっそうレースへの興味を駆り立て、
誰が優勝するのかそんな予想に心をわくわくさせていた。
でも、そんな時、僕はいつも思うのだ。
膨大なデータに裏打ちされた実業団レベルの選手でも、
この練習をしたから結果はこうなる
というような決まった法則ってないんやなあって。
もちろんレース当日の天候、
集団の様子などはレースの行方を大きく左右する。
しかしそれよりも何よりももっと大きなレースの流れを決定する大きな要素は、
もっとも単純な選手個人の「体調」だろう。
体調と一口に言っても、
不確定な要素は多い。
選手の年齢、体重、筋肉量、筋肉質のフィジカルな側面に加え、
ここ数日の食生活、睡眠状況、ストレスの度合いや女性の場合は生理もある。
また、自分の思った練習が出来た満足感とか、
誰かのために結果を残すんだという使命感
といったメンタルな部分も大きな影響を与えるだろう。
それらをすべて入力し、
結果を導き出す計算式はきっと存在しない。
だからこそ、スポーツが成り立つともいえる。
自分を例に考えてみてもそうだ、
この歳になるまで20年近くランニングを続け、
自分の体と対話し続けてきても、
いまだに自分の体調のことがよくわからない。
先日、口熊野ハーフマラソンを走った時のこと。
11月の福知山でレース途中に体調不良に襲われて以来のレースだったから、
その辺の体の具合が今はどうなのか、
確認も含めて走ってみようと思ってスタートした。
目標はキロ5分でゴール予想は1時間45分。
元気な頃なら鼻歌を歌ってでもゴールできるタイムだ。
最初の1キロを4分40秒で通過したときはまったく問題なく、
このままずっと走っていけそうだったのでペースを維持した。
5キロ通過は22分54秒。
10キロは46分09秒で通過した。
よしよしこのままゴールすれば、
目標の1時間45分は軽く切れるぞと喜びながら、
折り返しの橋を渡っていたときだった。
福知山で経験したのと同じ症状が出て、一旦ストップ。
深呼吸を繰り返し、呼吸を整えてからまた走り始めた。
それから不調は波のように寄せては返すの繰り返し。
その都度止まって深呼吸をし、
心拍数を極力抑えながら、
そこからはだましだましゴールを目指した。
結果は1時間41分。
思ったよりも落ちなかったが、
体のダメージは想像以上に大きかった。
ゴール後は立ちくらみがひどくまともに歩けない。
周りの人は横になれと進めてくれるが、
横になったらそのまま意識がすぅーっと無くなってしまいそうで
こわくて横にもなれない。
ビールを飲めば血の巡りもよくなるかと飲んでみたが
あまり改善される様子もない。
さすがにこのような状況になろうとは想定外だった。
このまま宿泊地に向かっても、
温泉や宴会を楽しめる状態でないことは明白。
無理をお願いして、宿泊をキャンセルし、
帰阪する知り合いの車に便乗して帰宅の途についた。
帰宅してからは案の定ノックダウン。
月曜夜まで寝続けた。
目が覚めて熱を測ってみたら37度5分。
う~ん、風邪菌も持って走ってたのかなあ。
20年も走ってて、
自分で自分のレースに係る体調がよくわからない。
だからスポーツは面白いのだと、
のんきにそんなこといってる場合ではありませんな。
ドタキャンでご迷惑をおかけしたみなさん。
本当にすみませんでした。
とりわけ宿の手配をしていただいたモリ蔵クンには
ホントに申しわけないことをしました。
もっと、自分をちゃんと見つめ、
体調を管理できるようになるまで、
しばらく無理してレースで走らないでおきます。
タイムと競うのではなく、
まず自分と競うところからやり直してみようと思います。