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いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

ブラリ、オジチャリ6

2013年08月14日 21時51分19秒 | 生活

中断していたオジチャリに戻ります。
あらかじめオジチャリ5を読んでおいていただくと
話についてきやすいかな~と思います。


さて大津川をあとにして、
オジチャリは板原の村中へと入っていきます。

このあたりはこれまで、
ランでもほとんど来たことがない地域です。
思わぬところに坂道があったり、
川が流れていたり、土塀があったりと、
昔情緒の濃い地域です。

そんな地域の一角、
公民館のそばにあったのが、これ。



これは立派な石碑ですね。
市内でも最大級でしょう。
その石碑に刻まれている言葉は

「菅公社舊趾」

最後から二つ目はこりゃまた難しい字ですね。
そう、昔のことを書くときには
思わぬ漢字が登場します。

これは第2水準にあったからいいものの、
昔広報紙を編集している時に
歴史記事を作成していて
作字をすることがよくあったのを思い出しました。

「舊」というのは「旧」という漢字の旧字体なんです。
パソコンや携帯によっては表示されないかもしれません。

この舊趾は、江戸時代には天神社と呼ばれていました。
またまた登場しますが、
高月の逆立ち狛犬のある神社も
天神社といわれています。

祭神があの菅原道真なんです。

俗に天神さんといわれるえら~いお人ですね。

社殿はなくなってもこの地域には
天神さんの祭祀を行う宮座が残っているそうで、
その宮座の行う風習は
泉大津市の無形民俗文化財に指定されています。

現在、天神社は穴師神社に合祀されています。

先を急ぎましょう。

次の目標としている市内の豊中町の道標に行くまでに、
その穴師神社を通ります。

途中の参道にあったのがこれ。



「苅田城跡」の石標です。
微妙に傾いているのが、
この石碑の素性を物語っています。
というのも、この石碑は
大阪市内にあったとされる苅田城跡を
間違って比定したものなんだそうです。

このあたりにあった城は
今は池浦の堡(とりで)といわれています。
それは、この地域に残っている「字」名からのみ推測されるもので、
発掘調査などでちゃんと解明されているものではないんだそうです。
いまだ全く解明されていない堡だからこそ、
石碑も首をかしげているのかもしれません。

その参道の突き当たりが、穴師神社です。



ここには、冒頭の天神社なんかも含めて
熊野社、住吉社など数多くの神社が
合祀されています。

市内最大級のクスノキや
保護樹林のオガタマが茂る
こんもりした社杜に見守られている
この神社の東側あたりが
「豊中」といわれる町になります。
この辺りには、その豊中や我孫子など
大阪市内と同じ町名が点在しています。

その豊中は古くからの町で、一旦車で入ろうものなら、
迷路のように入り組んだ
町内から脱出するのは相当困難なほどです。

でもチャリンコなら縦横無尽に探索できます。

目的の道標は資料の簡単な地図からだと
かなり見つけにくいと思います。
たいがいそういうところでは、
お寺や神社をランドマークにして探すといいでしょう。

doironも犬を連れて散歩している若者に
道標を門前に据えている「浄福寺」の場所を尋ねて、
やっと何とかたどり着いたくらいです。



そんな苦労をして、見つけたのがこれ。



写真ではほとんど判別できませんが、

「是*府中江八町」

と書かれてあります。
そもそもこの石は、
このお寺が和泉西国三十三所観音霊場の
十七番札所であることを示すためのもので、
道標部分はおまけのようなものであったかもしれません。

文字の*の部分は「より」とでも書かれてあったのでしょうか
八町とはだいたい870mということになりますが、
このお寺より府中までの距離は
記載通りほぼピッタリでしょう。

そしてそのすぐ近くにあった道標がこれ。





失礼して前掛けをめくらせていただくと、
お地蔵様の左右に

「右 わけ」と「左 志のだもり」

と書かれてありました。



「わけ」はこの前の板原の道標にもあった
和泉市の「和気」で、
「志のだもり」はこれもよくある「葛葉稲荷」を表します。
いずれも、このあたりの道標には頻繁に登場する人気の地名です。

今回、これで市内7基の道標のうち
6基を確認したことになります。
資料には、他で道標を御存じの方は
ご一報くださいと書かれてありました。
個人の邸内やイジワル石に使用されていて
文字の消えかけているものなどが
まだあるかもしれません。

そんな情報を待ちながら、
板原の残り1基は
またあらためて探しに行きたいと思っている、
オジチャリとdoironなのでした。

このシリーズ終わり。