最近、相模原児童相談所の自殺した児童が再三保護を求めても対応しなかった問題について、読売新聞が各児童相談所に取材し、今日の新聞に記事を載せている。それによると、国がどういうときに強制的に親元から引き離す職権保護の基準がなく、試行錯誤で現場が苦慮しているという。
そこで思うことが1つある。基準というものが示されると、その基準を無視することは難しくなる。対応が基準に縛られ、窮屈になるし、臨機応変な対応ができなくなるのではないだろうか?人の相談に乗って、親子関係を改善していくということは非常に難しい仕事だ。そこには、常に臨機応変な対応が求められ、何が正解という基準なんて存在しないのだということを相談を受ける人はきちんと認識し、今、最も優先すべきことは何かということを頭においておく必要があるのではないだろうか?まさしく試行錯誤の連続だが、決して取り返しのつかないことは見逃さずに毅然とした対応を取ることが求められているのだ。判断の基準は己の感性のみなのだ。それだけ、重要な仕事なのだということを、相談を受ける人には知っておいて欲しいと思う。
児童相談所は、これまでにも何度も重要なことを見逃し、悲惨な結果を招いてきた。必要に応じて、家庭裁判所に親権剥奪の手続きを取るべきときに、親の了解が得られなかったなどと手をこまねいていて、児童の虐待、暴行死が繰り返されてきたという事実を肝に銘じ、そういう事態は絶対に避ける対応が求められているのではないだろうか?人の相談を受けるときにはそれなりの覚悟が必要だろう。その覚悟ができないのであれば、人の相談など受けるなどと大それた仕事はやめ、マニュアルどおりにしていれば事務仕事に変わるべきだろう。