NHKラジオ深夜便で、弁当に日を提唱した小学校校長竹下和男さんの話が放送された。始めてからもう20年経つという。小学生では1%、中学生でも1%、さらに高校生になっても1%しかいないという。ところが、「弁当の日」を始めた後は、親子の会話が増えたとか、食事を作る人に対する感謝の気持ちが出てきたという。
子供に包丁を持たせたら危ない、怪我をしたら大変だ、火を使わせたら・・・等々の心配が先立ち、一から十まで親がやってしまう。そのために、食事を作る楽しさや大変さを経験しないで、成長し、大人になっていく。そのように大人になった人が結婚し、主婦になったとか、単身生活を送るようになったとかいって、食事を作る必要性に迫られた時、食事を作るのは苦痛でしかない。この話は本当に分かる気がする。
子供の頃から、食いしん坊だったのか、私は、七輪で餅を焼いたり、竈であられを煎ったり、卵焼きを作ったりと見よう見まねでいろいろしてきた。そのため、そういったことについての経験知は比較的豊富で、このような話を聞くと、非常に分かるような気がする。
子供は大人が考えるよりも、多くの潜在的な可能性や能力を持っている。その多くの可能性や能力を、大人の心配で、閉じ込めてしまうのは、とてももったいない話だと思う。
まあ、始めて包丁を使えば、指を傷つけたりすることはあるだろうが、大きな事故に繋がらないように、予め基本的な包丁の使い方を教えていくことも大事なことだろうと思う。