マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

京料理『乃し』

2009年11月03日 | お気に入りの店

 今から10数年前、妻と京都を訪れる機会が多くありました。京都に宿を取り、そこを拠点にして奈良にも出掛けました。京都では、お寺様参拝だけでなく、市中散歩を楽しみました。街並みの家の多くが平屋かせいぜい2階建て、色々な商いが営まれ、その様子を眺めるのが楽しかった。特に小さな商店街散策が好きで、お惣菜を買ってきてはホテルでのディナーの代わりにして、お安い旅行を心がけた事もありました。特に『古川町商店街』や『新大宮商店街』が気に入ってよくぶらつきもしました。
 その新大宮商店街、北大路から北山通りに向かって南北に連なる
長さ約1000mほどの商店街、地元住民の消費を潤す商店が100ほどは軒を連ねます。その昔は多くの人通りで賑わったそうですが、私達が出かけたその頃、かろうじてその名残はありました。

 商店街が北山通りに突き当たる手前に『京料理乃し』はありました。夕方だったと思います、お店前のお品書きには「京懐石 3500円」と書かれてあり、お店の玄関も、敷居が高そうでない雰囲気で”ふらっと”入れました。厨房の前にカウンター席が6つ、奥に10数名ほど入れる和室。小さな京料理店で、若いお二人が初めて間もない料理店でした。
 その奥の和室に案内されて頂いた京料理、出された品々の一品一品が美味しく、丁寧に丁寧に作られていて、しかも品数の多さに感動し、これで3500円は安すぎると思いました。素朴な雰囲気の女将と、料理人さんのお顔も見れるこのお店、一度で気に入って、その後京都を訪れるたびに寄らせて貰いました。何度か通ううちに、ご主人は祇園「鳥居本」で長年修行を積まれて来た事も知りました。
 
 地元でも評判になった様です。タクシーの運転手さんが、乗せたお客さんから「何処か美味しい京料理のお店紹介して」と聞かれると、乃しを紹介した事もあったようです(私の友人でこのようにしてこのお店を知った方もいました)。私達の知り合いにも紹介し、出かけた方々全てに評判が良く、その方々も何度も足を運ぶようになり、更にその方が友人に紹介する事もあったようです。口コミでその評判が広がっていき、マスコミにも登場し、商売大繁盛となりました。知り合いになったお店が繁盛するのとても嬉しいことです。

 その後地下鉄烏丸線「北山駅」から徒歩5分の地に移転しました。良く泊まるホテルからは少し遠くなりましたが、こちらへも3度ほど足を延ばしました。少し瀟洒な建物となり、夜の懐石料理は5000円にお値段が変更になっていました。以前の様にオナー兼料理人のご主人の顔を見れなくなった点は残念ですが、絶品の京料理をお安くいただけるお店、何度も訪れたいと思っています。間もなく出かけるミニクラス会の京都旅行の際は、宿泊先に近い「かじ」を利用しますが、他の機会ではこちらの料理も味わいたいと思います。
 (「乃し(京料理)」で検索すると、色々なブログに登場してくる事が分かります。2006年には「週刊文春」でも紹介されました。)