11月11日(水)文京区シビックセンターに「野村万作・萬斎 狂言の夕べ」を観に行きました。特に狂言に興味があると言う訳ではありませんが、萬斎をひと目見ようと、妻のお供で出掛けました。と気楽な感じに書きましたが、このチケット取るのが大変で、お値段6000円ほどのS席を予約開始直ぐに申し込み、確保したチケットです。
当日は雨にも関わらず空席が殆ど無いほどの満員盛況。万作・萬斎親子の人気が窺い知れます。舞台はまず、萬斎の解説から始りました。これから演じられる「萩大名」と「弓矢太郎」の説明をしながら、能の決まりごとや、一つ一つの動作の効果が語られます。初心の方もいる事を想定してのイントロ、分かり易い話です。例えば「萩大名」の冒頭の場面、「『おんごくの』と語りはじめられますがこれは「遠国」の事で、都から遠く離れた国と言う意味です」などの解説。この程度ならば私にも理解できる話です。身振り手振り、大きな舞台を縦横に使っての、動きながらの解説。私には理解できない事が多々ありましたが、楽しく話が聞けます。この解説が30分ほど。顔は綺麗で、声もよく、動作もうつくしい、千両役者です。
「萩大名」は野村万作演じる大名の無風流さがテーマ。続いての「弓矢太郎」では、萬斎演じる太郎が臆病者のくせに強がるのを、仲間が怖い話をして太郎を脅かす物語。語られる言葉がよく理解できないので、「萩大名」での微妙な”おかしさ”はよく理解できませんでしたが、「弓矢太郎」では、言葉の意味不明な部分があっても、物語の筋書きは分かり、萬斎の豊かな表情と動作に見とれて、能のおかしさが少しは実感できました。
一度原本を読んでから狂言を鑑賞すれば、もっと良く理解できた事でしょうか。深く味わうにはその世界に深く入らねばならないだろうなと思いました。天才と言われる萬斎のしぐさもとその運動能力の高さに感心しながら初めての狂言は終わりました。