数ヶ月前のある夜、1人の魂がヒーリングルームにやって来ました。
部屋には生首だけが中に浮かんでいました。
顔には血が滴り落ち、髪はふり乱れ、まるで落武者のような姿でした。
一見ギョッとする光景ですが、私は何事もなかったように話しかけました。
「今時分、何の用ですか?」
「わしを救ってほしいのじゃ」
「何かあったのですか?」
「わしはこれまで至るところの戦で戦い、何万人もの人を殺してきた」
「ほほう」
「人を殺すことでわしは褒美をもらい、皆から賞賛され、尊敬された」
「なるほど」
「だが、現代のこの世では人を殺せば罪になる。あるいは死刑になってしまう」
「それはそうだね」
「しかし、わしはこの戦がやめられないのじゃ。何の争いもない平和な世の中なのに、
敢えて大きな波紋を投げかけて混乱させ、戦乱のような社会にしてしまうのじゃ」
「それじゃあ、まだ人を切っているのですか?」
「そうじゃ。もちろん、肉体ではなく霊的な生命線を切ってしまうのだ」
「もう、何人もの人を殺してしまってますね?」
「うむ、年寄りの場合は心不全ですでに何人か死んでいる。若いのは死ななくとも脳梗塞やノイローゼになっている」
「よくないね、それは。いつまで続けるつもり?」
「いや、わしはもうやめたいのだ」
「ホントに?」
「本当だ。だからこんな夜におぬしのところに来たんだ」
「まったく、招かざる客だね!」
「そう言わんで、わしを助けてほしい。どうやったら、人を殺すことをやめられるだろうか?」
「簡単ですよ。執着を捨てればいいんですよ」
部屋には生首だけが中に浮かんでいました。
顔には血が滴り落ち、髪はふり乱れ、まるで落武者のような姿でした。
一見ギョッとする光景ですが、私は何事もなかったように話しかけました。
「今時分、何の用ですか?」
「わしを救ってほしいのじゃ」
「何かあったのですか?」
「わしはこれまで至るところの戦で戦い、何万人もの人を殺してきた」
「ほほう」
「人を殺すことでわしは褒美をもらい、皆から賞賛され、尊敬された」
「なるほど」
「だが、現代のこの世では人を殺せば罪になる。あるいは死刑になってしまう」
「それはそうだね」
「しかし、わしはこの戦がやめられないのじゃ。何の争いもない平和な世の中なのに、
敢えて大きな波紋を投げかけて混乱させ、戦乱のような社会にしてしまうのじゃ」
「それじゃあ、まだ人を切っているのですか?」
「そうじゃ。もちろん、肉体ではなく霊的な生命線を切ってしまうのだ」
「もう、何人もの人を殺してしまってますね?」
「うむ、年寄りの場合は心不全ですでに何人か死んでいる。若いのは死ななくとも脳梗塞やノイローゼになっている」
「よくないね、それは。いつまで続けるつもり?」
「いや、わしはもうやめたいのだ」
「ホントに?」
「本当だ。だからこんな夜におぬしのところに来たんだ」
「まったく、招かざる客だね!」
「そう言わんで、わしを助けてほしい。どうやったら、人を殺すことをやめられるだろうか?」
「簡単ですよ。執着を捨てればいいんですよ」