急いで大学病院に駆けつけると、
しとりんは病棟の1番奥の部屋(個室)に移動していました。
感染の疑いがあるのでほぼ隔離状態でした。
熱は39度まで上がったようでしたが、36度台まで下がったということでした。
ナースステーション前で主治医とすれ違い、
そのまま私の前から何も言わず通り過ぎて行こうとされたので、
呼び止めて、「どういう状況なんですか?」と聴きました。
「カテーテル感染の疑いが1番強いですね」
「カテーテル感染!?」
「でも、もうまもなく元の部屋に戻れますから」
そう言うと、主治医はそれ以上の説明をせず足早に去って行きました。
奥の部屋に入ると、しとりんは私の顔を見てほっとしたようでした。
昼食が出されていましたが、一口も食べておりませんでした。
そしてIVH(中心静脈栄養)はきれいに抜かれていました。
⇒
どうして感染なんか起きたのだろう?
そういう素朴な疑問には何も説明はありませんでした。
しばらくして、看護師さんが来て
「熱が下がりましたから、もう間もなく元に部屋に移りますね」
と言うとすぐに出て行かれました。
そして、別の看護師さんが来て、身体の清拭をされていきました。
その後、看護助手さんが来て、元の部屋に移動するお手伝いをしてくれました。
お部屋にクリスマスツリーとスノーマンとサンタさんたちが待っていました。
(私がこっそりとタンスの上に並べました)
「あっ、クリスマスツリーだ」と、ちょっとホッとしたようでした。
「今日はイヴだからね!」
しかし、熱が下がったとはいえ、
再びしとりんの体温は上昇しはじめていました。