DT200Aの庫 (goo-blg)

私がタイに渡った本当の理由 DD51技術的後方支援



 今回のタイDD51技術支援の話は昨年04月の、この呑み会から始まりました。    23,04,20  戸塚・寿司居酒屋七福   iphone14カメラ機能で撮影

 5回に渡りタイ旅行記をご紹介しましたが今回、タイへ渡った本当の理由は、かつて北海道で〝北斗星〝など寝台特急を牽引したDD511137号機および1142号機がタイに渡り活躍していており、その技術的後方支援のためでした。

 16年夏のこと。DF200牽引のカシオペアを撮影していると今日、北斗星色のDD51の廃回があるしいと言う未確認情報が舞い込み、半信半疑で待っていると、言い方は悪いですがまるで屠殺場へ連れて行かれる家畜の様にDF200に牽引されて青いDD51が東室蘭へ走っていきました。この時、この列車の中にDD511137号機と1142号機も組み込まれていたはずです。その機関車のエンジン音をまた聞けるなんて思いもしませんでした。運命とはおもしろものです。   16,07,03   13:30頃  山越   EOSー1D X   MaRII

 この話の発端は昨年04月にイカロス出版の上野弘介さんのご紹介で長崎在住で長崎きしゃ倶楽部代表である吉村元志さんが戸塚にお見えになり三人で寿司居酒屋〝七福〝で呑んだ事から始まります(ちなみに上野さんも吉村さんも戸塚区在住経験者)。その中で鉄話で盛り上がった際に吉村さんからJR北海道からタイに渡って活躍しているDD51の支援活動のために”タイDD技術支援プロジェクトTEAM51”を立ち上げ、その一環で支援のクラウドファンディングをされている話になりました。


 DFに牽引され無動で東室蘭駅に到着した北斗星など寝台特急を牽引して来たDD51。この翌日は本輪西駅経由で埠頭に移動してしまいます。こうして眼に出来るのは最後の最後なはず。〝原色が良かった!〝なんて言わせないほどDD51史上一番過酷な運用を未更新のエンジンでこなした、その音にはいくたびも感動を我々に与えてくれまきた。その機関車だけにいつまでも眺め、尽きぬ思いを抑えて最後に一礼してこの場を去りました。   16,07,03   20:00頃  東室蘭駅   EOSー1D X   MaRII

 私も新幹線911形機関車に数年ではありますが携わった経緯から”私も何かお役に立てるかもしれない?”と言う流れで、その技術支援の一人として今回タイに渡る事となったと記憶しています。
 実は911型とDD51は同じエンジンを搭載しているとは言え、全く別物の機関車で(特に制御回路とブレーキシステムは全く違います)、どこまでお役に立つか判らないのが事実です。それでも大好きなDD51のために少しはお手伝い出来ればと言う想いから、DD51に携わった経験のある現役のJR社員とキハ2004号を守る会幹事の03人に加えて吉村さんの04人で01月05日にタイへ旅立ちました。
 
 ↑↓タイに到着した翌日には現地に入り実際にDD51に携わるタイ人と技術的なデスカッションに臨みました。もちろんそこには言語の壁があるのですが、タイ在住でかつて自動車のメンテナンスに携わった経験のある日本人の方が中に入って通訳してくれます。技術的な言葉は普通の通訳の人では的確に訳すことが出来ないので、エンジン内部を精通している通訳の方がいなくてはこのプロジェクトは成り立ちません。   24,01,06  ノンブラドック(NongPladuk)駅隣接AS社詰所   吉村元志さん撮影・提供
 
 日本から渡った北斗星塗装のDD51はタイ国鉄に譲渡されたのではなく、タイ国鉄から複線化やホームやこ線橋建設現在を請け負うインフラ建設会社のAS社所有となってバラス散布などの工事列車に充当されています。いわば機械扱いで日本で定期的に施行されていた交検や全検などを受けることが無いのでいつまで動けるのか未知数で、それを補い技術的に支援するためにTEAM51がタイに渡り活動しているとの事。
 聞くところによると日本からタイに渡る時点で鉄道車両としてでは無く、鉄屑として輸出されているとも聞いています。そのためJR北海道は輸出には一切関与せず、よって技術支援は全く無いどころか逆に、JR北海道は書類上、ミャンマーに行った事になっているのに、何故タイに居るの?それも動く状態でいるの?と不快感を持っているのかもしれません。そんな行き違いが非協力につながっているのかも?
 以前に吉村さんが1137号機と1142号機の検査履歴を知りたくて車歴簿の閲覧をお願いしたところ、全く協力も得られなかった状況からも、JR北海道はタイのDD51に対して快く思っていないのでは?と詮索するのも当たり前かもしれません。
 その様な経緯から搬入当初、AS社はDD51に対して何のノウハウも無く、ミャンマー国鉄の技術支援を受けたようですが、もともとミャンマーのDLは電気式がほとんどで液体変速機の機関車は扱っておらず、一番厄介なトルクコンバーターのスキルは持っておらず現地スタッフは輸入当社、かなり困った様です。そんなおり、吉村さんがタイに観光で訪れ、現地鉄ちゃんより北海道で走っていた北斗星色のDD51が動いているらしいと聞いて、出掛けて現地スタッフが困り果てているのを見たのが支援のきっかけだった様です。
 その後、吉村さんがタイに渡った02両のDD51をユーチューブで紹介したところ重連コックが反位になったまま運転している事にJR社員が気付き、アドバイスした事が”タイDD技術支援プロジェクトTEAM51”のきっかけになった様です。
 現在、02両のDD51はタイの首都バンコックから西に約70キロ行ったノンブラドック(NongPladuk)駅に隣接する構内を基地として運用されていますが、搬入してしばらくすると、どこで聞いたのか日本から観光目的ではなくDD51だけ目当てだけでタイに訪れる鉄ちゃんがいる事に現地スタッフは驚きを隠さなかった様です。せっかく遠いタイまで来てくれたのだからと現地スタッフも暖かく迎え入れ、塗色も自社カラーのホワイトに塗り替える予定でしたが、吉村さんのアドバイスもあり〝北斗星〝色のままにしておこうと決めたと聞いております。

 運転台の表示等は日本語表示がそのままで最低限、英語標記されてました。自動車と異なり鉄道車両はそれなりのスキルのある人が携わる事を前提としてあるので未知の車両を日々、メンテナンスするのはそれなりに大変だと思う思われます。   24,01,08   18:04(現地時間16:04)頃   iphone14カメラ機能で撮影
 
 今回は3日間、ノンブラドック(NongPladuk)に通いました。初日は現地スタッフとのデスカッションでDD51を日々携わっていての不具合の箇所の摘出と疑問点や、不安になっていることをリサーチしました。午後からはクラウドファンディングでの見返りツアーでいらしたみなさまに簡単な説明と針金でくくりつけた〝北斗星〝のヘッドマークを付けての撮影会(もちろん私もガツガツ撮影させてもらいました)などがあり、メンテナンス活動はほとんど活動は出来ず、実質二日間の活動となりました。この二日間で何をするか?まずはブレーキ関係の点検と注油を施行しました。現地スタッフより自弁・単弁が重いと言う指摘がありましたので、自弁・単弁に注油しようとしたら注油孔の六角ボルトがなめてしまっている上にさらに固渋して回らず、正規箇所からの給油が出来ず、仕方なくブレーキハンドルの隙間から注油するとこに。またブレーキ作用の不具合防止の観点から作用弁の給油を施行。もう一日は1142号機の片エンジンのみですがオイル上がりを確認。シリンダーの点検蓋を外して予潤滑の油の上がり具合を確認しましたがほぼ10年間、まともな検査も施行されて無い割にはエンジン本体のコンディションは特によく、苗穂工場の技術力の高さを身をもって感じる事になりました。
 次回は02両、四つのエンジンのタペット調整を行いたいのですが、今回はターニングハンドルが無くてバールでピストンを廻したので無駄な労力が必要で疲れたので、次回は何処かでターニング歯車を調達しなければなりません(あとヘッドマークを針金でくくりつけるのはカッコ悪いのでヘッドマークステーの図面を探し出して現地スタッフに作ってもらおうかと思ってます)。


 ↑↓今回はエンジン本体の機能確認のためにエンジン点検蓋を外してエンジンを始動してみましたが予潤滑装置もちゃんと働いていて、油の上がりも了解でした。始動時のセルの噛み合わせも良く、排煙の色も良く極めて良好なエンジンでこの機関車に携わった現場の方々の並々ならぬ情熱が伝わって来る思いでした。   24,01,09   16:04(現地時間14:09)頃   iphone14カメラ機能で撮影
 
 なお、AS社の幹部によると現在進行している工事がひと段落すると、新たな工事区間へ移動することとなるそうで、現在の拠点はバンコクから車なら01時間と少しの距離でしたが、来年の今頃はDD51とスタッフはバンコックからかなり遠い地へ移動しているかもしれない(バンコクから1,000キロ以上離れている所らしい)との事でバンコク近くでDD51が見られるのもあと僅か鴨しれません。


 部分的には老朽化が進んでいてしばらく安泰とは言えない状況でした。塗装もかなり劣化して宮原のPFみたいにカサカサになっているので次回でも磨き上げしてあげないとだめかもしれません。   24,01,09   17:11(現地時間15:11)頃   iphone14カメラ機能で撮影

 聞くところによれば当初は01年で終了する予定だったクラウドファンディングを中途半端に終わらせないために継続し、資金はDD51の技術指導やメンテナンスに充て、リターンにはタイに渡ったDD51の見学会やタイ国鉄の乗り鉄イベントツアーの案内にも充ているとか事。〝親日の国・タイの人々はとても温かく、訪れる人を優しく出迎えてくれる。“鉄ちゃん”だからこそできる国際貢献・友好活動に是非参加してもらえたら〝吉村さんはと呼び掛けてます。
 もしお志があれば今からでも遅くないのでクラウドファンディングに加わっていただければ幸いです。私と青デーデーに会いに行きましょう!

【継続寄付】DD51技術支援・鉄道を通した日タイ友好活動を続けたい
 
 

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