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日本の一の名峰、富士山を背に入れ替えを行うロッド式予備機です。この写真を撮影するのに休みを取るのではなく勤務開始前の僅かな時間で撮影出来るのは幸運だと思います。 12,12,13 日本製紙富士工場 EOS-1v ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
日本製紙富士工場の専用線には通常入換に使用されている伏木からやって来たD351号機以外に2両のDLがあります。1両は同工場内に留置されている凸型で知る限り全く動いた形跡がありません。また、はっきりとした経歴もわかりません。遠くから眺めるしかなくセンターキャブの30~40t程度のカマと推測されそれ以外何もわかりません。幸か不幸か東海道新幹線の車窓からも見えるのでその存在を気にしている方も多いと思います。そしてもう1両が「幻のロッド機関車」といわれている予備のDLです。このカマも経歴不詳で(笑)ナンバーらしきものはなく、現場でもナンバーがないが故に「予備(機)」と呼ばれています。一説には新潟鉄工35トン機と言うことですが銘版などなく確証は得られていません。ちなみにこれ以外に昨年春に故障で再起不能になった25tクラスの日本車両製のL型DLもいるはずなのですが。工場内で保管されているのでどうなっているかは不明です。
そて、なぜこのロッド式の予備機が”幻の機関車”といわれているかと言うと、いまどき珍しくなったロッド式のDLが日本製紙富士工場内にいるらしいとその存在は知られているものの保管(留置)されている場所が工場内の一般の人には眼の届かないであった事からでした。その機関車が我々の眼の前に現れたのはあるアクシデントからでした。それは昨年(12年)の春先に工場と富士駅との入換に従事していた25tクラスの日本車両製のL型DLが駆動系の故障により動かなくなってしまいました。日曜日を除いて毎日出荷がある同工場の専用線ですので(土曜日はほとんど運休していますが・・・)、機関車が動かないからと言って出荷が出来ないと言うことには出来ません。そこで苦肉の策として急遽、数年来ほとんどエンジンも始動してたこともない予備機で入換することになったのでした。たださすがに放置していたために2基あるエンジンの1基はダメになって1基のエンジンで入換をする事になったと言う事でした。
私も通勤の途中で専用線の様子をのぞいているのですが、機関車が変わった事だけは気がついていました。ただこの専用線は撮影出来る場所が東西区間に限られて夏場では撮影に不向きと言うこともあり、タダ眺めているだけでしたが一度だけ、せっかく職場近くの専用線だからと言うことで撮影したことがありましたが、身近に見るロッド式機関車にはなかなか感激モノで、会社側から嫌がらせ(見せしめ)で流れ着いた職場なのに妙に幸せを感じてしまっていました。
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木曜日限定の入換は富士駅構内に9時頃に現れて20分程度の作業をこなして工場に戻る行程でした。 12,12,13 日本製紙富士工場 EOS-1v ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
ロッド式の予備機の活躍も昨年8月いっぱいまでで9月より伏木からやって来たD351号機が整備の上、日常の入換に充当される様になりロッド式の予備機はまたもや工場の奥に留置されてしまい、またもや幻の存在になってしまいました。
その後、D351号機が入換に活躍するわけですが、このD351号機は国鉄DL標準色を踏襲していて私好み機関車で、何度かわざわざ休日に職場から直近の専用線までやって来て撮影をする事がありました。その撮影の折に入換に従事されている日通の方から、D351稼動後もロッド式の予備機が木曜日に限定されるみのの動いていると言う耳寄りの話を聞くことが出来ました。その話を要約すると通常は富士駅の一番南側にある授受線に工場入換に充当される空コンを積んだコキ6車(以下:空コキと表記)が前日から留置されていて所定では午後の所定時間の入換で積車のコキを出荷して空コキを工場へ引き込むのですが、木曜日はJR東海の電力係員による架線検査のために空コキが検査の支障となる事から、電力より「空コキを架線のない線に退避して欲しい」との要請が入換を担当している日通へ連絡があったそうです。その要請をうけて木曜日に限り、通常の午後の入換とは別に富士駅授受線のコキを架線のない所まで引き上げる入換をする事にしたので、この入換にロッド式の予備機を使う事になったとの事でした。そのおかげで一度はもう見れないと思っていたロッド式予備機を昨年秋以降も週に一度だけですが撮影出来る事になった訳です。ただ木曜日に必ず動くと言う事ではなかったようで、工場内の入換が輻輳した時や事前に電力の架線検査が施行されないとわかっている日はロッド式の予備機は動かないことになっていました。
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もちろん平坦線の専用線ですから一概に比較は出来ませんが鵜殿貨物がコキ7車なのに対して日本製紙富士工場は平日に限られますが毎日6車のコキの発送があります。これはなかなか立派な発送量ではないでしょうか?ただ最近は生産調整のために新座行のコキ2車は空コンで返送しているようです。 12,11,08 日本製紙富士工場専用線富士駅構内入換 09:07頃 EOS-1v ACROS スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
そして秋以降、何度かロット式の予備機を撮影する事が出来ました。特にロッド式ですから足回りに陽が当る事が重要ですので、太陽の低い冬場に集中的に撮影しました。そて先日(4日)の木曜日もたまたま10時出勤の変則日勤でしたのでロッド式予備機を撮影しようと早めに職場に到着し自転車で出掛けてみたものの、お目当てのロッド式予備機は現れませんでした。富士駅構内にも空コキの姿もありません。ダイヤ改正で駅の作業ダイヤが変更になり、連動して専用線の入換時間も変更になった可能性があります。たまたま岳南電車(岳南鉄道は4月1日から社名変更して岳南電車になっています)で硬券を買いあさってきたひだ号君も来ていたので、午後の所定入換まで現場に留まり(なにやら市川大門に行きたいと言っていたのですが・・・)、入換を担当する日通の方にダイヤ改正で日本製紙富士工場の専用線の入換も変更になったかを聞いてもらえるようにお願いをして私は勤務に就きましたが、午後になってひだ号君から”木曜限定の予備機の入換はなくなったそうです”とのメールが入って来ていました。やはりダイヤ改正に伴い入換作業に変更が発生してロッド式機関車が週一度とは言え定期的に動いていたのが見れなくなり、また工場の保管(留置)され幻の存在になってしまったようです。ちなみにひだ号君が新しい入換の事について日通の方に伺っていたときには、その傍らには新任管理者となってアケ番でもおいそれとは帰れなくなって昼まで職場にいたワム8さんもいたようです。