９９，０９，２５ 勝島 ＲＤＰⅡ（＋１）
１０年前の９９年９月には京福電気鉄道越前本線（現：えちぜん鉄道）のデキ６とデキ５２１の撮影があり福井まで遠征しました。以前より京福電気鉄道越前本線の電気機関車に魅力を感じてはいたのですが、運転する事がほとんどなく北陸の地でもありあまりにも遠く撮影する機会に恵まれませんでした。この時は撮影会開催ということなので撮影に便宜を図ってくれると言うことだったので喜び勇んで出撃した次第です。
東海道新幹線”ひかり”で米原駅まで。そこで”しらさぎ”に乗り換えて福井駅まで行った記憶がありますが、たしか連休だったからでしょうか？”しらさぎ”の自由席がかなりの混雑だったのが鮮明に覚えています。
９９，０９，２５ 勝島 ＲＤＰⅡ（＋１）
福井駅で一日パスを購入して京福電気鉄道越前本線に乗りまずは永平寺口駅で撮影をします。永平寺支線の永平寺駅からやってきたデキ５２１＋デキ５２２の重連で牽引するイベント列車を撮影しました。永平寺口から少し離れたところで撮影しその後、永平寺口駅構内に歩いて戻ると駅員同士が大きな声で（と言うより怒鳴りあって）連絡していました。耳を澄ませて聞いているとどうやら”イベント列車に乗車していた乗客をドアを開けず（降車させないまま）入換をしてしまい、どうやって降ろすかと言う事を話し合っていました。”ずいぶんのんびりした鉄道だなぁ！”と思いましたが、実はこんな事象はこれだけではありませんでした。その日一日の撮影が終わりイベント列車に乗車して福井駅へ戻る途中で交換のためイベント列車が側線へ誘導で転線した際は誘導員の旗を見ずに推進で運転士が入換したために、もうちょとでポイントを割り出すところでした。この時は誘導の係員が”赤！赤！停止！止まれ！”と大声で怒鳴っているのも気にもせず入換を続けている機関士の姿がありました。また、ある駅ではそのイベント列車は客扱停車でありながら運転士は間違って通過してしまういました。この時はホームに人影がなく、また降車の人もいない様子だったのでそのまま運転を継続していましたが、その三つの事象を見てこの鉄道はのんびりしているのではなく、鉄道会社としてのきわめて初歩的あり、かつ一番重要な安全意識が欠落している鉄道ではないかと言う不安がよぎりました。そしてその不安は悪い予感でもありました。
００年１２月１７日越前本線志比堺 - 東古市間だの正面衝突事故でその予感は的中してしまいます。この時は乗務員の不注意ではなく車両整備不良によるブレーキ故障でしたが、さらに事もあろうに０１年６月２４日には越前本線保田 - 発坂間でも列車正面衝突と言う大事故を起こしてしまいました。この時は運転士の信号違反での事故で申し開きの出来ない責任事故でした。インドでも一年間で２回の列車正面衝突はいまだかつて経験がないと言います。あの８９年９月２５日に見た三つのインシデント（重大事故につながる芽）から連想した悪い予感が残念にも見事に当たってしまったわけです。
９９，０９，２５ 比島 ＲＶＰ
さて当日の撮影の話に戻りましょう。デキ５２１＋デキ５２２の列車は機関車を付替えて終点の勝島駅へと運転されました。この列車も永平寺口近くの踏切から撮影し、後続列車で勝島駅へ向かいます。途中で比島駅という趣のある駅を見つけそこでデキ６の走行を撮影してから勝島駅へ向かうことにしました。このデキ６は日本では数少ない箱型Ｂ型機関車で静岡鉄道などにも見られますが走る姿は見たことはなく、初めて見るデキ６の姿にたまらなく魅力を感じ、感動したものでした。
勝島駅ではデキ５２１＋デキや５２２とデキ６の撮影会が開催されていました。時折転線して撮影の構図を変えるように便宜を図ってくれていました。秋の澄み通った青空の下、長年の夢だった機関車を好きなだけ撮影が出来、本当に満足して帰路に着きました。
この時は後日談があります。撮影後は翌日の好天を期待して福井で宿をとりました。しかし２６日の朝は雨音で目覚めたのです。”なぜ？”昨晩の天気予報では晴とは言わなかったものの曇時々晴だったので期待していたのに…と思いながら朝の天気予報を見ていると北陸だけが雲の下のようです。大阪も東京も、そして名古屋も晴予報です。２６日に大井川鉄道にＣ１０が搬入されその試運転が運転されているとの情報を得ていたので、後ろ髪を引かれる思いで福井を後にし静岡にむかいました。
９９，０９，２６ 永平寺口
