横浜市市営地下鉄ブルーラインは立場から湘南台までは地上を走る区間があります。この撮影地のすぐ後ろが事故現場です。 17,04,24 横浜市営地下鉄下飯田ー立場 16:06頃 Canon EOS7DMarkⅡ
私の住む横浜で鉄道事故が続いて二件発生しました。まず一件目が06月01日20:15頃、新交通システム「シーサイドライン」新杉田駅を発車しようとした並木中央行列車が進行方向とは逆の車止め側に起動し約25メートル先の車止めに激突して14人が重軽傷を負ったと言う事故です。この事故の原因は電車(車上)側の制御回路断線と言う見方が強くなっています。いわば電車(車上)回路の不具合と言う事です。具体的に言えば車上側と地上側に設置された装置が互いに信号を送りあう自動列車運転装置(ATO)で制御し、折り返し駅では駅から車両に進行方向の切り替えを指示をして2号車ににある受信器を介して1号車の制御器から各車両に指示が連動する回路だったのが何らかの原因で地上側の指示信号と車上側の制御回路に不具合を生じて逆走されたとされています。ただこれもあくまでも推測でこの手の事故では大方の原因が判明しても具体的対策はなかなか難しい事があります。今回、事故発生直後からマスコミはこの制御回路の不良をクローズアップしていましたが私は違う事に着目していました。それは折返し駅で所定停止位置から車止め側に停止する装置が全く設置されていないことが問題だったと感じていました。もしこれが人間による運転(運転士乗務)であればヒューマンエラーが考えられ所定停止位置から車止め側には過走(オーバーラン)を考慮して停止信号(これを過走防護と言います)が設置されていたはずです。しかしシーサイドラインはコンピューターによる自動運転が故に過走はあり得ないと言う判断から設置されていなかったと推測されます。運転士が乗務している鉄道ではそのほとんどで所定停止位置を越えて車止め側に侵入(この場合は進入とは言わず侵入と表記します)した場合、列車を強制的に停止させる機能が設けられています。もしこの過走防護のシステムがあれば少なくとも乗客が怪我をする様な事故にはならなったはずです。災害が起きると必ずキーワードとなる想定外が想定されていなかったと言うのが私なりの一番の問題だと思っています。
↑↓今回、ブルーラインの事故について調べていくと不通区間の踊場―いずみ中央間でバス代行が実施されそのために地場である神奈中と当該の横浜市営バスはもとより相鉄バス、さらには川崎臨港バスまで駆り出されている事を知りました。代行バス区間(長後街道)は普段から神奈中(神奈川中央交通)バスしか走らない区間なので他社のバスが走っている光景は極めてレアです。人の不幸が絶対の被写体と言う悪戯な趣味を持つ鉄ちゃんとしてはバスとは言え代行輸送は萌えるものがあり撮影してきました。撮影とは言うものの梅雨に入ったのでデジタル一眼機は2台共にCANON入りしているのでiphone7カメラ機能での撮影でしたが沿道には結構、バスマニアが居たのにはビックリ!余談ながら代行バス区間は立場―いずみ中央間のみで上飯田駅と湘南台駅へは相鉄線に乗換えてくださいと言う事の様です(相鉄ゆめが丘駅と地下鉄上飯田駅は隣接)。 19,06,08 ↑16:12頃 立場バス停 ↓16:45頃 普段は静かな汲沢団地バス停に停車する横浜市営バス。ここは神奈中バスの路線で横浜市バスが停車し停車している姿は極めてレアです(立場バス停でバスの滞留場所が無く少し離れた汲沢バス停付近が代行バスの滞留場所になってました)。
そしてもう一つの事故が06月06日は発生して横浜市営地下鉄1号線(ブルーライン)の下飯田駅付近で発生した脱線事故です。この事故は06日の05:22頃、同地下鉄下飯田駅を発車した始発列車が線路上に残されていた横取装置に乗り上げて6両編成のうと前5両までが脱線したと言う事故です。まずはここで言う横取装置についてすこし説明したいと思います。横取装置と呼ばれる装置は線路や架線(横浜市営地下鉄は架線ではなく線路横にあるサードレールから集電)の点検のための工事用車両をその基地から線路上へ移動させる簡易的なポイントです。このような工事車両(保守用車)は終列車から初列車までの短い時間でいろいろな工事をしなくてはならないために移動時間を省くために沿線各地に保守用基地を設けてあります。この基地から本線へ出入するポイントは営業列車の乗り心地を考慮して簡易的なポイントを設けています。今回はこの工事用車両を移動させるための横取装置を保守用車を入庫させてにもかかわらず撤去を失念したと言う極めて初歩的な事故です。実はこの横取装置の撤去失念は時々、各鉄道で発生しています。かつて近鉄ではこの横取装置を失念して列車を脱線させたとして責任者の助役は即日、懲戒解雇されています。それだけ責任重大な事故です。しかし、その責任重大な横取装置撤去失念は近鉄の事故後も各鉄道で発生しています。またこれによる脱線事故も発生していますが、その対策として近年はこの横取装置の撤去失念をすると列車に対して警告信号を出す鉄道や、信号そのものが赤から変わらなくなるような保安装置を設けています。しかし今回のブルーラインてせはこの保護装置が設置されておらず事故を誘発したことになります。今回のブルーラインの事故は作業員の”人の命を預かる仕事と言う自覚の欠落”と共に他の鉄道で繰り返し発生している横取装置撤去失念に対する設備的欠落と言う不備があげられます。
なお、今回の事故では発生場所が半地下(頭上は開口部)ではあるもののトンネル断面が狭い場所で、また事故の衝撃が強く復旧作業が極めて困難しています。復帰作業にはJR東日本や東急電鉄の関連会社も加わっていますが脱線した車両がトンネル壁面にすれすれまで傾いていてほとんどが手作業で作業員に疲弊が見られると言う事です。
たった一人の不注意が多くの人の迷惑と苦労に繋がる事はどんな仕事にも言える事です。自分だけはその原因にならぬ様に自覚を持ちたいものです。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kotsu/sub/oshirase/oshirase/0608bluedassen4.html
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