今年は、神奈川、千葉のがん疼痛緩和認定看護師さんの
研修講義を担当してきました。
千葉では、実習の最後に一日つかって、
20名の研修生の方が経験された症例の検討会を行います。
一人一症例、症例提示を2分で行ってもらいます。
短い時間で、必要な情報を盛り込み、メリハリをつけることは
提示者が問題点を整理していて、
それを考える為の情報をまとめられていないと2分にはなりません。
この提示が終わったら、他の研修生の方から質問を出してもらいます。
緩和ケアチームの立場でコンサルテーションに当たっていると
依頼状が届き、
病棟スタッフからコンサルト症例の説明を受けます。
こうした説明を聞いて、
患者さんの抱える問題点を解決するために不足している情報を質問し
検討していくというのがコンサルテーションの流れとなります。
2分の症例提示を聞きながら、問題を整理し、
解決するために不足している情報を質問する練習が
ここに生きてくるのです。
質問が終わると、問題点の整理、今後に生かすための方略を列挙し
私からのコメントを入れて、一例10分から15分で終了します。
これを20例行うのです。
そして、20例から学んだことを、知恵の引き出しとしてしまっておくのです。
この一連の流れは、臨床実践の場で、一人一人の患者さんに関わるごとに
引き出しをつくる練習でもあります。
中々ハードなのですが、このトレーニングはとても実践的で
コンサルテーションに関わるようになるときっと生きてくる1日だと思っています。
先日、この講義が終わって、研修センターの先生から、
昼休みに、研修生が来た時、実に明確に何の目的で来たか、
話し方が変わったと言われました。
そして、自信がついたようにも見え、
スペシャリストとして変化させていく力があるトレーニング方法だと
お褒めの言葉を頂きました。
加えて、講義が終わって数日たったとき、
全研修生からのフィードバックが送られてきました。
何が不足していたか見えてきたこと
机上的学びと実践との差を実感したこと
質問ができないことに気づき、それは、知識の不足から来ていることがわかったこと
今回の実習検討会を通して
研修生の方が自分と対話し
今後の目標が見えてきたことが沢山記載されていました。
研修生の方にとって、認定試験に合格して
臨床現場に認定看護師として戻った時がスタートラインです。
沢山の引き出しをつくっていってほしいなあと思います。
それは、患者さんから頂いた宝物でもあるのです。
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1年目は半分の時間で、2年目は目的を明確にできず、下手な授業をしてしまっていました。今は、大分上手くなってきたと思っています。懺悔したくなるような気持ちですが、役に立っていると言っていただけて、本当にうれしいです。
緩和ケア病棟の実習を終え、今日から在宅の実習です。
緩和ケア認定看護師って、なんなんだろう?って、悩みながらの日々…
ホスピスケア認定看護師でよかったのに…
だけど、“全ての人に緩和ケア”でこれからは非悪性疾患のかたにも適応されるものだから、がん看護専門看護師やがん性疼痛認定看護師や、がん化学療法認定看護師みたいに、がんに特化せず活動できる人が緩和ケア認定看護師という解釈したらいいんかな………
日本ではじめて緩和領域の認定看護師コースができた時、帰国されたばかりの阿部さんのイギリスホスピスマインドのエッセンスにあふれていた構成に、溜息をついたことを思い出します。私は、当時消化器症状を担当していましたが、疼痛以外の症状にもとりくまれ、非薬物的な関わりも盛り込まれていました。ケアの心を教えようとする内容に、がん治療病棟にいた知り合いの看護師さんは根底からひっくりかえされ、混乱していたのも思い出されます。徹底した人間の根本を支えるケアを学ぶコースでした。今は、違っているのかもしれませんが、疾患にとらわれるのではなく、疾患をも超えた、人全部を支えることを専門にする看護師だと理解しています。
そんなことを言っていても仕方が無いのでしょうけれど・・・。
あんまりこんなことを言ってはいけないのでしょうが、認定看護師である専任教員も、ホスピスケア認定看護師が緩和ケア認定看護師に名称が変わり、カリキュラムも変わって、かなり混乱している(した?)ようです。
でも、aruga先生の「疾患をも超えた、人全部を支えることを専門にする看護師」とおっしゃっていただいて、名前にこだわったりとらわれたりすることなく、ホスピスマインドを持ってケアを提供できる人間でありたいと思いました。
緩和ケア専門家の先生からのお言葉で、ちょっと“もやっ”とした気持ちが晴れた気がします。
ありがとうございました。
またおじゃまします
そこから、臨床現場で、患者さんと向き合って、成長していくのだと思います。
ですから、研修の半年間の目標は、自分で新しい経験を学びとっていくための基本知識や方法を学ぶことにあるのではないかしら。
応援しています!
確かに理解していないと、2分にはまとめられないし、たくさんの目で違う角度から患者を診て行くことは貴重な経験になります。
1週間に一度あるラウンド。参加を嫌う看護師が多い中、私は昔からこれが大好き。違う職種のチームメンバーからの質問やディスカッションから学ぶことが多いから。今の職についてからは毎週参加できるので、今振り返るだけでも自分の成長ぶりを感じれるほどです。いろんなケースに対する対応を経験するほど、引き出しは増えていきますものね。
miyumiyuさんとのやりとりで思ったのですが、半年の研修は贅沢すぎるほど十分だと思いますよ。一般の看護師でも医師でも、教育機関は最低限の知識=スタートラインに立つための知識を教える場所で、そこから経験を重ねて真の専門家になって行くのだと思っています。大事なことは教育機関から離れても、常に知識と技術のアップデイトをすること、それから自分の経験を通して学んでいく姿勢ではないのでしょうか。特に全人的な対応は授業で学べるものに限界があると思っています。経験を重ねてこそ知識が自分のものなるからです。
それから名前や職種にこだわらず、自分のスタイルをみつけることも大切です。私はPatientCareCoordinator(PCC)としてホスピスで働いていますが、他のホスピスのPCCとの会議でいつも思うのですが、スタイルの違いや力を入れているところが違うと。誰が一番良いPCCとかではなく、バージョンの違いがあって良いなあと思っています。各地区のCNSやCRNも同じです。
自分の得意な分野や状況に応じた認定師として自分ができる範囲でプランや目標を立てることも大切ではないかと思いました。
カナダの認定は専門領域に入る前の研修もありますが、認定試験を受けるためには、専門領域で3400時間以上の経験(フルタイムで約2年)をつむことが第一条件です。産休や病休で時間数が伸びず、昨年ようやく試験に申し込むことができました。(申し込みから試験までは半年もかかるので、この4月が試験日です)。がんばってきますね。
いつか、きっとどこかでお目にかかれますね!
その時、ディスカッションできるのを楽しみにしています。(EAPCには行きませんか?今年はウィーンです)
研修の目的は、ご指摘の通りで、教育とは、知識の伝達ではなく、自己啓発の方法の伝達だなあと思います。
そして、認定、専門等も個性がありますね。
認定試験のための経験時間、興味深い内容を教えて頂き、ありがとうございました。
試験、もうすぐですね。
また、どのような試験なのかお時間があるときにお教えください。
私が、もやもやした気持ちを投稿して、いただいたコメントを読んでいると、自信の無さから何かの理由をつけて・・・みたいな感じなのかもしれません。
実習では、認定看護師の先輩から直接ご指導いただくのですが、資格取得してから数年でこんなにも認定看護師らしくなれるんだな~という思いと、あまりに出来ない自分に自信喪失や自己嫌悪を感じているんです。
「教育機関は最低限の知識=スタートラインに立つための知識を教える場所」「大事なことは教育機関から離れても、常に知識と技術のアップデイトをすること、それから自分の経験を通して学んでいく姿勢」「特に全人的な対応は授業で学べるものに限界がある」これらはみな、坐学のときからも言われているし、わかったもいるんですけどね・・・。
もうすぐ教育機関を離れて自施設に戻ることが近づいてきて、職場のスタッフからのプレッシャーを感じ、自信喪失状態から立ち上がれずに、マイナス思考な私であります。。。
こんなコメントを残してすみません...
EAPCですか、、、ウィーンは日本からと同じくらい遠いところです。行かれるんですか?
いつかどこかでお会いできることを楽しみにしています。
認定試験の情報も入れますね~
miyumiyuさん
リラックスして!大丈夫ですよ。ようは実践に立ってから自分がどうするかなんだから今から心配するのは早すぎますよ~