火曜日は、がん疼痛緩和のガイドラインの会議に参加し、
今日は、緩和医療学会の理事会の研修会(勉強会)に参加していました。
大学の講座やがんプロのこと、
各職種での教育プログラムのこと
研究の活性化
施設を超えたモービル・コンサルテーションチームの可能性・・
色々な項目がありましたが、今日のディスカッションによって、
この所悩んでいたことの整理がついたものがありました。
専門医認定委員会で、暫定指導医や認定施設の審査などが進んでいます。
外科、内科、麻酔科、婦人科、耳鼻科・・・
様々な分野の医師が
自分の専門分野の医療の中で、緩和医療を実践してきました。
我こそは・・という医師もいます。
一方で、まだまだ・・と自己評価する医師もいます。
こうした中で、
暫定指導医や専門医と、
医療の基本的なあり方の緩和ケアとの
線引きをどのように表現すればよいのだろうかと考えていました。
今まで私自身もよく使ってきた言葉でしたが、
いわゆる
一次緩和医療:がん患者さん等の診療を行うすべての医師が知っておく緩和医療
二次緩和医療:大学等のがん診療を行う施設の医師がしっておく緩和医療
三次緩和医療:緩和ケア病棟や専門チームの医師がしっておく緩和医療
とか
基本(ベーシック)緩和ケアサービス
専門緩和ケアサービス
と分けられます。
この専門緩和ケアサービスは、
一般病棟や在宅では緩和困難な難しい症状緩和に対処できる専門性を
求められます。
我々だって緩和ケアをやってきたという医師の中には、
一次も二次も三次も
または
基本も専門も
さまざまな緩和ケアの力量の医師が混在しています。
患者さん・ご家族や他職種から、
「症状が取れなくて、困っているのですが
主治医はそのことをわかってくれないのです」
と相談を受けることは、どの病院でもありました。
これは、患者さんやご家族は、
主治医は一次、(二次)緩和医療または基本緩和ケアサービスを行っている医師
として捉えているのに対し、
主治医は、(二次)三次緩和医療または専門緩和ケアサービスに対応できている
医師と自己評価をしている
このギャップなのではないかと思ったのです。
専門医制度に関連した医師のあり方を表現するとき
この一次~三次、基本と専門の違いを意識しながら説明をしていくことが
理解していただくのに、大変重要だと、改めて、気づくことができました。
こうして活字にすると、
ここまで書いてきたことなんて、当たり前のことじゃないかと思うのですが
<意識する><気づく>というのは、
脳の普段の思考とは違うところにスイッチを入れる作業だと実感した一日でした。
私は地方の県立病院で働く看護師です。緩和医療に関心があり、以前東北緩和医療学会で先生の講演を拝聴しこのブログをずっとみています。
私の病院でも麻薬の使い方がわからない医師が多く、がん性疼痛のコントロールができないうちに亡くなる方が多いです。どうしてうちの場合は違うんだろうといつも疑問に感じながらも、少しでも患者さんや家族のかたの力になれるように日々努力しています。これからもいろいろ教えてください。
コメント本当にありがとうございます。
東北緩和医療学会・・岩手にお伺いさせて頂いたときから、お立ち寄りくださっているとは、嬉しい驚きでした。ありがとうございます。
色々な方とお話していて、感じることは、医師が弱いところは看護師が、看護師が弱いところは医師が、どちらも弱いところは薬剤師が・・・色々な組み合わせはありますが、それぞれの病院の弱点をどこかが補完し、バランスがとれているものだなあという点です。
レンコンさんのような患者さんの辛さにアンテナをはった方がいらっしゃって病院も患者さんもお幸せだなあと思います。
頂いたコメントに私も励まされます。
これからも、よろしくお願いいたします!