(e61, Table 2. Lancet Oncol 2012;13:e58-68)
慢性疼痛の方に
ノルスパンテープの減量を説明するために、
モルヒネとの等鎮痛力価がどうなるか、
ずっと調べていましたが、見つけられませんでした。
最近、ジャーナルクラブでこのガイドラインを
取り上げていた時に、ふとみた図・・・
な・・なんと、そこには、
経口モルヒネ:ブプレノルフィン貼付剤
75 : 1
例 経口モルヒネ60㎎は、35μg/h(放出量)のブプレノルフィン貼付剤
24時間で0.8㎎で同じ
と書かれているではありませんか!
(写真、引用文献は冒頭に記載)
海外のブプレノルフィン貼付剤は、72時間タイプで
20、30、40mgのものが発売されているようです。
Drugs 2003; 63 (19): 1999-2010
Transdermal Buprenorphine
Hannah C, et al
3段階の容量で利用可能で、20, 30, 40mgのブプレノルフィン含有の各35, 52.5, 70μg/hの調整率でブプレノルフィンを放出するように設計され、1日量0.8, 1.2. 1.6mgに相当する。全パッチは貼付期間72時間で設計
では、日本で発売されている
ブプレノルフィン貼付剤(7日間タイプ)
ノルスパン®テープの放出量は???
ブプレノルフィン貼付剤(ノルスパン®テープ)
5㎎、10㎎、20㎎の3規格があり、それぞれの放出速度は、5、10、20μg/hrである。
(医療用麻薬適正使用ガイダンス 慢性疼痛治療に用いるオピオイド鎮痛薬 経口剤、貼付剤
P.12 厚生労働省医薬食品局 監視指導・麻薬対策課)
と記載されていますが、
この数字の根拠として引用された文献は明記されておりません。
この項全体に引用文献として2文献が記載されていますが、
あくまでも総説にすぎないもので、基礎データが記述された
文献ではありませんので、
これはあくまでも参考文献として見た方が良い可能性があります。
したがって、この数字の信頼性は乏しいと思われます。
ただし、一応、厚労省が出しているガイドラインなので、
参考値としてここでは、検討してみます。
参考までに、薬剤の㎎数は、あくまでも含有量を指す数字を用いることが日本では決め事となっています。
患者さんは、
ノルスパン®テープ 10㎎を使っています。
放出量が、仮に10μg/hとすると、
経口モルヒネにして
60mg÷3.5=17.14mg
ということで、腰痛慢性疼痛の患者さんにお話ししました。
がんの痛みを持った方が
モルヒネを最初に使うとき1日20mg位から
始めることが多いのですが、
それに近いお薬の量なんです。
ブプレノルフィン自体は
麻薬処方箋を要するものではありませんが、
内容は似ているところがあります。
今痛みはかなり取れていて、
併用始めた神経の痛み止めも効き始めてきたので、
一度少し、減らしてみませんか?
(これらの情報について、新たな文献、基礎データなどありましたら、ぜひ、ご教示お願いいたします。)
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拾わせてもらった命を救急の現場で使っています。様々な在宅がん患者さんが急変されることも多く、極力ご意向に応えられるようにしています。今回のデータは、まさに探していたものでした。先生の指摘される注意点を参考にして対応します。
心から感謝します。
追伸
NHK朝イチ、ご出演された放送を拝見しました。緩和ケアが終末期だけのものでなく、より良く生きるためのものと理解されることを願っています。
コメント、ありがとうございました。
あさイチのこと、今なお失意と混乱の中にいます。
気持ちをまとめるために、次の記事にしました。
本当に、ご指摘のとおりです。自分の無力感に、次に何をするべきか、まだ、エネルギーが出てきません・・・