しかし、もっと積極的な位置に
患者さんは緩和ケアを求めていらっしゃいました。
どの病期にあっても
本当に希望されている治療を選択するための
緩和医療・・
ありのままの病状が伝わり
患者さんが自己選択することができるようになったあらわれだと思います。
新たな役割を感じました。
真の自己決定を支援するための緩和医療・・
まだ、医師になりたての移植外科にいたころ
患者さんが移植をしない決定をするには
移植を行わなくても、十分な緩和的医療が保証されて始めて
患者さんは移植を行わないという決定ができるはずなのに
日本の移植医療に、そこは欠落しているのではないか・・
そう、感じました。
私が緩和医療に移ろうと思った原点でした。
(20年以上も前の青二才のことなので
現在、移植を専門になさっている先生、どうかお許しください)
この外来の患者さんの言葉を聴いたとき
同じ意味を感じました。
その責任の重さを再認識するとともに
何か言葉にならない込み上げてくるものを
感じました。
休み時間が終わり
外来から足早に講義に戻りながら
整理しきれない心を感じていました。
(シリーズおわります)
先生は痛みをとってくれると患者さんに言われるのは、さすがです。
感動するばかりです。
ひとつお伺いしたいのですが、口腔ケアで唇の乾燥予防に白ゴマ油を塗付するとよいとのことで、70℃程度の熱で加熱したものを使用されている病院があるのですが、加熱する必要性がある理由がわかりません。質問をしても返事が返ってきませんでした。先生はご存知でしょうか?よろしくお願いします。
ニュートラルな決定が患者さんにできる支援としての緩和って、大きな役割を気づかされました。多職種で関わるからこそ大きな力になれるのだと思います。私一人ではできないことは自分が一番感じているところです・・
shihoさん
ごま油ですね。ごま油の中には、ごまの蛋白質が、少量でしょうが、含まれていて、蛋白質は約60度以上で凝固しますから、それ以上で熱くなりすぎない程度の70度位で加熱し自然に温度が下がるのをまって静かに分注します。凝固した蛋白は自然に下に落ちてきますので、より純度の高い油になるというわけです。つまり、ごく少量混在している蛋白を凝固させて純度の高い油にするのが加熱の目的です。