緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

痛みと便秘が鍵

2007年04月14日 | 医療

(昨日に続きます)
この8ヶ月間・・
一時、もうここまでかと思ったときもありました。
痛みが強く、嘔気が出てきたときがありました。

でも、ステロイドで甦りました。

その後、患者さんから、今までと違う痛みを感じると言われ
MRにて骨転移がわかり、外来で放射線治療も行ってもらいました。

でも、外来で完遂できました。

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消化器科の医師がTS-1の休薬を上手に置いてくれました。
放射線科も細心の注意を払ってくれました。

けれども、こうやって乗り切れたのは
誰よりも患者さんのおかげでした。
自分で疼痛と便秘のコントロールができるようになってくださり
食事を取り続けることができたからなのです。

ですから、TS-1の副作用にも、放射線の副作用にも
体は、踏ん張りとおすことができたのです。

 

すごい種類の薬です。
でも、すべてに意味があります。
それをよく理解してくださり
すべてをきちんと内服してくださいます。

飲めないときはちゃんと話してくれるので
飲めない原因を解決するように私もすぐに
工夫することができます。



TV撮影の診察の中で
改めて尋ねました。

「レスキューにはモルヒネを使ってますよね
 モルヒネと聞いてどんな気持ちでしたか?」

「モルヒネか・・と思いましたけれど
 飲んでみると体が楽になったので
 心配はなくなりました」

そうなんですよね。
できるかぎり、副作用を感じないで
効果を実感できるように調整すること
これが緩和ケア医の役割なのだと思っています。

今の状態を出来るだけ先に、先に延ばしていけるようにすること
これが患者さんと立てたこれからの目標です。

5月13日(日) BS放送
テレビ朝日の「be Medical]
22:30~23:00(の10分程度)
です。
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2 コメント

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Unknown (アビシニアン)
2007-04-15 04:26:24
副作用を感じないで効果を実感できるように...

インフォームドコンセントとまでは行かなくても、薬剤師の説明はとても大事だと(やはり個人的に)思っています。特に医療用麻薬に対する説明こそ、薬剤師の本領発揮なのでは。医療用麻薬に対する偏見、誤解はいまだにあるのですね。医療に携わっていると、疼痛緩和に医療用麻薬は必須なのですが、説明いかんによっては、...です。医療用麻薬が処方されると、まっさきに病室に走っていって、説明するようにしています。「強い痛み止めです」と説明するか「強い痛みに用いるお薬です」と説明するかなんて、言葉にするとちょっとした違いですが、受け取る側では、意味が全然違ってくると思っています。先生がよくおっしゃるように、症状に合わせて薬剤を用いるわけで、末期だからターミナルだから、緩和ケアだから、モルヒネを使うわけではないのですよね。医療用麻薬の偏見は、つきつめてみると、身体的依存,精神的依存、(鎮痛)耐性の3つだと思ってます(断言?)。この3つをわかりやすく、正確に適切な言葉で説明するようにしています。よく考えていることなのですが、どんな良い薬が発売(採用)されていても、どんな良い治療がされていても、そこに言葉やコミュニケーションがなければ、症状緩和にはつながらないのでは...と。「話す」ことは、苦痛を「離す」「放す」ことにつながると。

ただ、デュロテップパッチだけは、鎮痛耐性があるのでは、と少し疑っています。最初のモルヒネからのローテーションの仕方にもよるのでしょうか?調べている最中です。
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こんにちは! (aruga)
2007-04-15 16:11:14
アビシニアンさんのように細かな配慮をなさる薬剤師さんがいらっしゃるとチームもどんなにやり易いだろうかと思いました。フェンタニル(注射でも)には、マウスの実験で、μ受容体にモルヒネ・オキシとは異なる陥入を生じ、耐性がつきやすいという論文はでています。ただし、マウスと人が必ずしも同等変化を起こすとは言えませんが。3月に出した「がん疼痛緩和」のp.79に少しだけ触れています。
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