太い気管を圧迫されると
酸素が入らず、二酸化炭素がたまりやすいので、
十分量のオピオイドで
呼吸数を減らすと
結果的に血中酸素濃度は下がり、
苦しさが増してしまう場合もあるわけです。
ただ、
オピオイドの少量投与では
循環動態上後負荷を軽減したり
(血液が心臓に返りやすくする作用があり
心筋梗塞の治療などにも用いられます)
中枢に作用して直接呼吸困難感を軽減させる作用もあります。
がんを持っていない方の心不全、
神経難病のALSの方の呼吸苦などにも、
北米では積極的に投与していました。
気管圧迫タイプの呼吸苦には、
呼吸回数を変えない程度のオピオイドと
圧迫を軽快させるステロイドが
症状緩和の中心となりますが、
最後は鎮静剤でウトウトしながら
辛い時間を乗り越えていく対処(これを鎮静といいます)が
必要になることが多い傾向にあります。
呼吸困難な症状コントロールに
もう一つ忘れてはいけないのは、
ベンゾジアゼピン系薬剤です。
(つづきます)