緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

オピオイド・ローテーション(2)モップの例えがgoodです。

2008年01月22日 | 医療

オピオイドローテーションという方法が
採択されるようになってきたベースには、
長期間投与していると受容体の感受性が変化するのか
増量しても除痛が十分得られないような現象や
副作用が出現し
増量が困難になってしまうような現実があります。

分かりやすく言うと、そうじのモップなのです。

モップで埃を掃除していると
最初は良いのですが
だんだんと埃を取らなくなってしまいます。
そうなってくると
取れない埃で弊害もでてきます。
で、新しいモップに変えると、リセットされて
またよく取れるようになります。 

オピオイドも似ています。
モップを交換して埃をよくとれるようにするように
あなたのオピオイドも他のオピオイドに切り替えて
きちんと効く様にすることで
どんどん増えていったり
副作用ばかり出るのを防いでいきましょう。

って、説明しています。

厳密に言えばちょっと違うのかもしれませんが
これは、患者さん達にオピオイド・ローテーションを説明するとき
とても良い例えだと(自分では)思っています。
(つづきます)


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい! (atusato)
2006-09-11 23:35:52
この説明いいですね。とってもよくわかります。時々説明に使わせていただいてもいいでしょうか?私たちの地道な活動、NHK特集などのようなメディアの力などで、最初にオピオイドを使うときに抵抗を示す方は、減ってきたように思うのですが、オピオイドローテーションや増量には、まだまだ抵抗が強いなと感じているこのごろです。
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そう言って頂けると、 (aruga)
2006-09-11 23:44:05
嬉しい!説明にはどうぞ、お使いください!!

書き物には、是非出所を!!!(引用文献はこのブログ?)
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ありがとうございます (atusato)
2006-09-12 00:10:09
早速のコメントありがとうございます。

直接ローテーションの説明をするときに引用させていただきます。書き物に使うことはまずないと思いますが、今月、素人向けの公開講座で前のコメントのような印象を最近持っているものですから、その人の痛みが取れるところまで、人と比べないで増量していくことが大切なところと、いまはオピオイドローテーションができることになった辺りをメインに組み立てようかと考えておりました。パワーポイントに書くことはしないですが、口で説明するときに例えさせて頂いてもいいでしょうか?出所も話させていただきます。
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Unknown (tomato)
2006-09-12 19:34:29
Q&A101が届いて一月になりますが、本を開かない日が無いくらいに読ませていただいています。診察時にNsにこの本のことやブログのこと勿論、有賀先生のことを話したこともあります。お蔭さまでDrとのコミュニケーションも上手くいっています。詳しいことは、もう少ししたら報告いたします。緩和ケアの公開講座は体調が良ければ聞きに行くつもりです。
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Unknown (aruga)
2006-09-12 23:45:04
atusatoさん

このモップの件は2冊ほど本には書いていて、Q&Aモルヒネ緩和101にも書いています。使っていただいて大丈夫ですよ。パワーポイントにも。



tomatoさん

いかがお過ごしでいらっしゃるかしらと案じておりました。本、お使いくださり嬉しいです。tomatoさんの調整する力にいつも敬服しています。いろいろなことが上手くいきますように。
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はじめまして (アリー)
2006-09-13 10:53:39
はじめまして。

今年6月に夫が胃癌の4期と診断されて、ネットをさまよっていて、こちらにたどりつきました。



モップの例え、わかりやすいです。

ただ、一つ疑問があるのですが…

がん疼痛緩和に推奨されるオピオイドは3剤ということですが、ローテーションしていけば、以前副作用ばかりになってしまった薬剤もまた使えるようになったりするのでしょうか。

夫は、診断されたときには既に激しい痛みを訴えていたので、最初にモルヒネを使い、退院後使いやすいようにとフェンタネルの貼付薬に切り替え、副作用の眠気と吐き気が強かったため、オキシゴドンの飲み薬に変わりました。

3剤とも既に使用しているので、これから痛みが強くなることを考えると不安です。

 有賀先生の本、読ませていただきたいのですが、一番お勧めの本ってありますか?

 質問ばかりで申し訳ありません。
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アリーさん、こちらこそ、はじめまして (aruga)
2006-09-13 23:55:21
ご主人が胃がんと診断されたとのこと、今はオキシコドンで落ち着いていらっしゃると読み取れましたが、推測は誤っていないでしょうか。



一巡したローテーションに二巡目は有効であるかどうかというご質問ですね。モルヒネは副作用はあまりでなかったようですので、心配なくもう一度、切り替えられます。フェンタニルについてですが、貼付剤に切り替えられた時、換算方法が疼痛に対してやや多い量だったために眠気が出た可能性が高いです。ですので、これは量を調整することで防げる副作用ですので、ニ巡目でもまったく心配はいりません。ただ、吐気の原因がはっきりとしません。最初のモルヒネを使い始めて1週間以上経っていたならば、便秘のコントロール不足だったか、フェンタニルの抗コリン作用で胃の蠕動が抑えられたのかもしれません。ただ、モルヒネよりフェンタニルの方が抗コリン作用は少ないため、これによるとはちょっと考え辛いのですが、眠気同様、やや多い量で抗コリン作用が出てしまったと考えても良いと思います。これであれば、ニ巡目も大丈夫です。フェンタニル不耐症での嘔気であればニ巡目になっても同様の症状が起こる可能性が高いのですが、モルヒネやオキシコドンが大丈夫でフェンタニルだけに起こることはまずないですので、心配ないと私は思います。



本については、ブログの8月10日のものかもう一冊14日付けでアップしておきます。



ブログ少し読ませていただきました。また、ゆっくりとお尋ねさせてください。
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ありがとうございます (アリー)
2006-09-14 08:28:54
おはようございます。

早速、詳しく説明していただき、ありがとうございます。

ご推測とおり、今は5mgの錠剤で落ち着いています。

オピオイドとしては、最も低容量ですよね?

が、最近、時々キリキリ?ピリピリ?した胃の痛みがあると言うので、少し心配してました。

夫も、最初に激しい痛みを我慢していたので、ああいう痛みがまた来るかと思うと、とても不安なようでしたので。

ご返事を読んで、安心いたしました。



 やっぱり便秘のコントロール不足で吐き気が出ることがあるのですね。

カマグを飲むと口の中が気持ち悪いと言って、飲まないことが多くて、コントロールできてませんでした。

見ていると、便秘がひどくなると嘔気も強くなるようだったので、我慢して飲んでと言ってたのですが。

今はマグミットに変えてもらって、きちんと飲んでいるけど、便秘と下痢を繰り返しているような感じです。

もともと便秘気味だったので、難しいです。



 私のブログは、関係ないこともたくさん書いていて読みづらいと思いますが、お待ちしております。
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便秘にはじまり便秘に終わる! (aruga)
2006-09-14 21:39:18
と、いうくらい、便秘のコントロールはとても大切です。口から飲むことを維持し、腸管の中で薬の吸収を保つために本当に重要です。

うまくいくと良いですね!!応援してます!
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Unknown (May)
2008-01-23 06:53:39
とても分かりやすい説明ですね。
恥ずかしながら薬理は苦手でして、もう1度勉強しなおさなければと思っていました。

先生はどのような薬学の本をお使いになっていますか?もし宜しければ今度帰国したときに買ってこようと思います。

P.S.ブログの引越しをしました。リンクの変更お願いできますでしょうか?
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