(前回の記事につづきます。)
もはやレスキューできないであろうことは
学生だった私達にもすぐに理解できました。
さっきすれ違った赤ちゃんを抱いた女性は
目の前に横たわっている男性の妻であろうことも・・
工事現場での墜落でした。
心肺蘇生を試み、心臓マッサージを続けていました。
考えられることはすべて行いつつ・・
すぐに、鼻腔、外耳道から、出血してきました。
頭がい底骨折からの出血でした。
救急チームのリーダーが言いました。
「後、30分頑張ろう・・
それで戻らなければ
奥さんに早く会わせてあげよう・・」
どうすれば心臓からの駆出は保たれるか
血圧を維持することができるか
どこを押せばいい?
何をすればいい・・
外で待つ妻と赤ちゃんの姿が離れませんでした。
そして、30分後・・
心臓は停止したままでした。
その手を止めた時間が・・・
臨終の時でした。
(再掲 つづきます)
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