緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

医者の奥底(5)手を止めたとき

2018年05月14日 | 医療

手を止めたこと
それが、死の時・・

この現実に6人組の学生は、混乱し
私は、頭が真っ白になっていました。

それ以外にも、経験したことのない波にのまれていました。





医師が外で経過を説明している声が聞こえていました。
何人かの人の泣く声も・・

横たわった男性の体が少しでも悲壮さがないように
救急部の医師や看護師が周囲を綺麗にしていました。

しばらくして、傍らに、奥さんが呆然と立っていました。


私は、声をかけることも
何もできませんでした。




翌日、私達のグループは
ほとんど口を開くことはありませんでした。
皆同じ気持ちだということがよくわかりました。
そんな中、私は救急部の教授室を訪れていました。

まだ混乱していた私に
忙しい仕事の手を休めて
丁寧に対応してくださったことを今も鮮明に覚えています。

(再掲;つづきます)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 医者の奥底(4)救命処置 | トップ | 医者の奥底(6)私の踏み絵 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
感激でした! (TK)
2008-03-16 18:54:46
先生!お疲れ様でしたm(__)m
中之島から今帰って来ました(笑)
先生の講義とてもわかりやすかったです
(^_-)-☆
前のTVの時は そ~感じませんでしたが…
今日はまさに 弾丸ファイター(笑)ですネ
前から10番目ぐらいで 聞かせて頂きました。先生も素敵でしたo(^-^)o
先生とお話ししたかったのですが…
会えませんでした(・_・、)残念です。
返信する
ありがとうございます。 (aruga)
2008-03-16 23:27:03
TKさん早速のコメントありがとうございます。
埼玉では問題なかったので、今回事前に送っていたスライドをお任せしていたら、字がズレていたり、一部線が上下していたり・・必ず、自分の目で確認すべきだと、反省しました。ということで、時間を気にしつつ、スライドの不手際に心は揺れ、今日も変わらずでした・・また、お目にかかりましょう~(緩和医療学会行きますか?)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事