研究の一環として、よく医療者にはアンケート調査が届きます。
匿名の調査であり、情報の取り扱い、倫理審査の承認を得ていること、返信をもって条件に同意したこととなることなどが最初につらつらと記載されています。
次に、アンケートの質問がはじまります。
その冒頭ではたいがい回答者の特性(背景)の質問が並びます。
年齢または年代
性別
職種
医療者の経験年数
専門領域での経験年数
などなど・・
これらに続き、調査したい内容につい質問が並ぶ構造をとります。
最近届いたアンケート調査・・
年齢(年代ではありません)
性別
緩和医療専門医取得後の年数
(正確に記載するよう但し書きまでついています)
ここまで来た時に、
手は止まってしまいました。
緩和医療の専門医名簿は
日本緩和医療学会の
ホームページ上に
ホームページ上に
公開されています。
年間、60名程度が合格し、
修得年月日、
勤務先の記載もあります。
勤務先の記載もあります。
これを性別で分ければ、
半分以下ーつまり、
30人以下に絞られます。
そこに年代(40、50、60代)
であったとしても、
年齢(41歳とか50歳とか)
ならなおさら、
かけ合わせれば、
かけ合わせれば、
すぐに誰だか特定できます。
個人情報とは
名前や電話番号、
住所といった
直接的なもの
だけではなく、
こうしてかけ合わせて
特定できるものも
個人情報の対象となります。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
法第2条(第1項)
法第2条(第1項)
(前省略)
他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。
私がかかわっていた全国がん登録では、詳細なすべてのがんの患者さんの疾患名や治療の内容などを法律(がん登録等の推進に関する法律、個人情報保護法等)の下、登録集計するシステムが運用されています。
その中でも、希少がんと言われる、発症が極めて少ないがんの情報を研究者等に提供するとき、研究の結果の公表の仕方として、原則、1件という表示の仕方ではなく、1~5件とか、1~10件まで丸めて表示します。
仮に、それを地域(都道府県等)と掛け合わせたとしても、特定されてないための工夫なのです。ただし、医療的にそれを公表することが医療の進歩に重要場場合もあり、研究者に情報を提供する時点で、患者体験者や市民の方々にも入っていただき、時間をかけて議論を行っています。
個人情報を
どのように守るか
厳しい議論の一方で、
前述のような
かけ合わせれば
前述のような
かけ合わせれば
とても簡単に、個人が
割り出される
質問の調査研究に
洗練されていない
低い意識を感じ、
こんな研究者への
低い意識を感じ、
こんな研究者への
調査協力は
やめようと思うわけです。
やめようと思うわけです。
それにしても、
研究計画は
それぞれの施設の
研究倫理審査委員会の
承認を経て
開始されるのですが、
開始されるのですが、
倫理審査員も
気がつかないのかなあ・・
気がつかないのかなあ・・
個人情報とは
かけ合わせ情報で
特定される可能性があることに
細心の注意を払うべきだと思ったこの頃でした。
皆様も、
所属団体の無記名の一覧や学校の無記名一覧は、名前がないから大丈夫と思わず、そこにある他の情報(ID番号とか出席番号とか)と外部の情報(IDと年齢が別のもので閲覧できるとか、出席番号と住居地区、親の職場などが別に存在するとか)で、容易にかけ合わせられるものがないか注意を払ってみてくださいね。
Jill FultonによるPixabayからの画像
Jill FultonによるPixabayからの画像
これで会社が動けば健全。
もしも個人特定調査みたいなことが起きたり、不問に伏した場合はそこまでの会社ということ。アンケートもポーズの場合があるので、暴くに限ります。
ちゃんと問題視された話になってくれればいいですけど、その前に去ることを決めました。
個人が簡単に特定されてしまうこと、怖いですね!
マイナンバーカードを持ってしまえば、何もかも
わかってしまい、悪用されかねません。
それで、医療関係の新しいビジネスを展開しようと
いう狙いもあると聞きました。
国民から信頼される政府を作らないといけませんね!
会社といったクローズドな中での個々の情報の取り扱いは微妙だなあと感じることがあります。
問題の指摘をしたときに、同じ目線で話し合える文化が醸成できているとよいですね・・
30年前アメリカに住んでいた時は、普通にマイナンバーカードを使っていました。これがなければ不審者扱いされてしまうくらいの意味を持っていて、特に在留者にとって、身分保証としてとても重要でした。
どうして、報道されているような平易なミスを犯してしまうのか・・
年金のことで大問題になった、年金手帳の入力ミスとか、情報紛失といったことに似ているなあと思うのです・・
ホットなニュースに結び付けたコメント、ありがとうございました!
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次の書く力、新たな気づきなどに繋がり、感謝でいっぱいです。
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