緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

腸管浮腫(1)オピオイドはどうしましょう。

2013年03月17日 | 医療

ご近所の早咲きの桜が満開に近くなりました。
今年も春が来ました・・




前任地に勤務していた頃のことです。





「肺がんで、胸郭に疼痛があります。
 
ブプレノルフィンの坐薬を使用中。 

 数年前、横行結腸ポリープの手術後。

 今回、腸閉塞となり、一時絶食としました。
 肺がんの腹腔内転移は今のところありません。

 今後、オピオイドをどのように
 使っていけばよいでしょうか」

と、いうのが依頼内容でした。

オピオイドは腸蠕動を止めてしまうため
腸閉塞から回復期の患者さんにとって
慎重な投与となります。 

入院後、嘔吐があったため経鼻胃管が入り
絶食となっていましたが
その後、排便があり、腸は流れ始めたようでした。 

小さな創でしたが、開腹された痕がありました。
 
診察と経過から
狭窄ではなく、癒着性イレウスだったと判断。
腸は流れ始めているので
ステロイドを開始した後に
緩下剤の少量投与を始め
次第に増量するための観察ポイントを示しました。

オピオイドはブプレノルフィンから
貼付剤へのローテーションを
行ってもらう事としました。 
(つづきます)


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