6日に厚労省HPにがん対策推進基本計画がアップされました。
働く世代のがん、タバコ禁煙率、小児がんが注目点と言われています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_keikaku02.pdf
沢山のことが盛り込まれています。
新たに盛り込まれたことなどについても、
予算をどう分配させるか
国のマネジメント力が問われそうです。
〇緩和ケア領域については特記するならば。。
● がんと診断された時からの緩和ケアの推進
(と、いいつつ・・チーム医療は、放射線療法、化学療法、手術療法の3つとなっていて、”診断された時から・・”を強調するなら、やはり、ここに入れる努力をしてほしかった・・)
● 本文中に、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアを分けて記述されていること
(今まで、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアがごちゃこちゃに論じられていましたが、理解しやすくなったと思います。)
● 実習などを組み込んだ緩和ケアの実践的な教育プログラムの策定
医師卒前教育指導者育成のため、医学部に緩和医療学講座を設置することを努力
(厚生労働省管轄のがん対策基本計画に、文部科学省管轄の大学医学部講座設置について触れたことは、省間連携が伺えます)
大学は別としても、
病院は臨床が主務であり、ここに教育も求めるなら、
どの病院も人が足りない・・
教育にもかかわれる病院看護師は
本当に限られていると思います。
私の所属機関では、来春からの開設をめざし、
緩和医療学講座設置が検討されています。
率前教育については、カリキュラムの事などがあり簡単なことではないのですが、
卒後教育では、1~2日間の実習から、80時間のコース、4年間のコースを作っています。
4年間は医師のみですが、それ以外は、医師以外の受け入れも行います。
80時間コースは、地域の方々も参加できるように
半年間の内にバラバラ部80時間でも可、集中して2週間でも可。
4年間コースは学位と専門医修得を目指しています。
社会人(他院で勤務していても)修得可能となるよう
選択肢に入れたいと思っています。
これら、詳細・具体的には、秋ごろ募集要項をHPなどでアップします。
来年4月からの稼働ですが、
今後のキャリアパスを含め、
募集要項アップ以前でも、ご相談に対応させて頂いています。
〇ちょっと大変だなと感じたこと
拠点病院では、自施設のがん診療に携わる
全ての医師が緩和ケア研修を修了することを目標に。
前文からの続きとして考えると、5年以内に。
この基本計画の発表を受けて、
早速、今週木曜日には 私の病院では
拠点病院運営委員会が開催されます。
意見が述べられるようにまとめておかなければと思っています。
以下、本文のコピーペーストです。
(取り組むべき施策)
患者とその家族が抱える様々な苦痛に対する全人的なケアを診断時から提供し、確実に緩和ケアを受けられるよう、患者とその家族が抱える苦痛を適切に汲み上げ、がん性疼痛をはじめとする様々な苦痛のスクリーニングを診断時から行うなど、がん診療に緩和ケアを組み入れた診療体制を整備する。また、患者とその家族等の心情に対して十分に配慮した、診断結果や病状の適切な伝え方についても検討を行う。
拠点病院を中心に、医師をはじめとする医療従事者の連携を図り、緩和ケアチームなどが提供する専門的な緩和ケアへの患者とその家族のアクセスを改善するとともに、個人・集団カウンセリングなど、患者とその家族や遺族などがいつでも適切に緩和ケアに関する相談や支援を受けられる体制を強化する。専門的な緩和ケアの質の向上のため、拠点病院を中心に、精神腫瘍医をはじめ、がん看護の専門看護師・認定看護師、社会福祉士、臨床心理士等の適正配置を図り、緩和ケアチームや緩和ケア外来の診療機能の向上を図る。
拠点病院をはじめとする入院医療機関が在宅緩和ケアを提供できる診療所などと連携し、患者とその家族の意向に応じた切れ目のない在宅医療の提供体制を整備するとともに、急変した患者や医療ニーズの高い要介護者の受入れ体制を整備する。
がん性疼痛で苦しむ患者をなくすため、多様化する医療用麻薬をはじめとした身体的苦痛緩和のための薬剤の迅速かつ適正な使用と普及を図る。また、精神心理的・社会的苦痛にも対応できるよう、医師だけでなく、がん診療に携わる医療従事者に対する人材育成を進め、基本的な緩和ケア研修を実施する体制を構築する。
学会などと連携し、精神心理的苦痛に対するケアを推進するため、精神腫瘍医や臨床心理士等の心のケアを専門的に行う医療従事者の育成に取り組む。これまで取り組んできた緩和ケア研修会の質の維持向上を図るため、患者の視点を取り入れつつ、研修内容の更なる充実とともに、必要に応じて研修指導者の教育技法などの向上を目指した研修を実施する。医療従事者に対するがんと診断された時からの緩和ケア教育のみならず、大学等の教育機関では、実習などを組み込んだ緩和ケアの実践的な教育プログラムを策定する他、医師の卒前教育を担う教育指導者を育成するため、医学部に緩和医療学講座を設置するよう努める。
緩和ケアの意義やがんと診断された時からの緩和ケアが必要であることを国民や医療・福祉従事者などの対象者に応じて効果的に普及啓発する。
(個別目標)
関係機関などと協力し、3年以内にこれまでの緩和ケアの研修体制を見直し、5年以内に、がん診療に携わる全ての医療従事者が基本的な緩和ケアを理解し、知識と技術を習得することを目標とする。特に拠点病院では、自施設のがん診療に携わる全ての医師が緩和ケア研修を修了することを目標とする。
また、3年以内に、拠点病院を中心に、緩和ケアを迅速に提供できる診療体制を整備するとともに、緩和ケアチームや緩和ケア外来などの専門的な緩和ケアの提供体制の整備と質の向上を図ることを目標とする。
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早く、これを!
「痛み」は辛いですから。
近い将来 参加できたらいいなと思います
短い言葉に気持ちを込めてくださり、ありがとう!
KAYAUさん
実現するよう、後押しくださりありがとう。がんばらなくっちゃですね。
えびさん
学びたいというお気持ちが力になります!!
テクニックではなく、心も含めたスキルを磨く医療者でありたい、広く、ふかく、緩和ケアが当たり前の医療になりますように。