タイトレーションとは、鎮痛薬をちょうどよい量に調整することをいいます。
オピオイドは、疼痛に合わせて、増量速度を守れば、どこまでも増量できます。
このことを、“有効限界がない薬剤” と表現します。
多すぎると(過量)・・・・眠気が強くなります。
少なすぎると(不足)・・疼痛がでます。
ですから、理想的には、
眠気が少なく、
除痛が図れる量に
調整することになります。
やや少なめから、
レスキュードーズ(一日の定時薬の1/6量を1回量)を用いて増量する場合と
定時薬を増量(30%~50%ずつ増量)していく場合があります。
眠気が強いときは、2割くらいの減量を検討します。
が・・・
眠くて
痛いときは・・・
オピオイドが効きつらい疼痛が混ざっている可能性がありますので、
非ステロイド性抗炎症薬が併用されているかどうか
鎮痛補助薬は必要ないかどうかなどを
チェックすることが大切になります。
病棟で、
痛みが取れる量が決定したら
退院しましょうという説明がされていることがあります。
量が決まって、ずっとその量を飲めば痛みがなくすごせるか
というとそうではありません。
疼痛の原因の変化、薬剤の吸収、疼痛の質的変化などで
常に、オピオイドは調整をし続けますので、
流動的な量であることを説明しておかなければ、
患者さんはいつまでも、アップーダウンを続ける薬に
疲弊してしまうこともあります。
なので、
ある程度目安の量が見えてきたら
退院ができますよ
という説明を行い、
自己コントロール感を持ってもらえるように
レスキュードーズの使い方などを
患者さんに覚えていただくようにしています。
それにしても、トワイクロス先生の驚きの症例
1) モルヒネ静注で3500mg・・
経口換算すると約10000mg(1:1/3として)
緩和ケアコンサルトを受け、
鎮痛補助薬の三環系抗うつ薬を併用したら、
な・・
なんと・・・
経口モルヒネ120mgまで減量できたとのこと。
2) フェンタニル貼付剤10mg 35枚・・
衝撃的な全身パッチの写真・・・・
皮膚呼吸は・・?
あまりに唖然として
そのあとの説明を聞き逃してしまいました。
(思わず、私・・声を出してしまったのですが
横に座っていたY社の方、
ピクリとも動かれませんでした。)
有効限界がない・・っていっても、これは乱暴です。
除痛はやはり量ではなく、質です。
でもY社の方、動じないとはさすがですねぇ
有賀先生のご講演はいつもわかりやすくて楽しいです 今回の症例の患者さんも適切な投薬がなされれば痛みも軽減できるだけでなく、精神的にもキュアできるんだな~と思いました。当院には緩和ケアを専門にしているドクターはいないので、「こうすればもっと痛みがとれそうなのに…」と歯がゆくなることも多いのですが、懲りず(?)に提案していきたいと思います(笑)
ああいった例をみると、国別オピオイド消費量を緩和医療の指標にすることがナンセンスだと思うのです。
緩和医療専門の医師がいないからこそ、薬剤師さんの活躍の場があるとも考えられますよね。ぜひ、推進力になってくださいね!
問題が起きてからでは遅いですよね。
現場の対処に期待するしかないですね。
たぶん、アートに行きつく前の、病態評価能力の問題があると思います。どれだけ、鑑別でき、的確な薬剤を選択できるか、その量を調整できるか・・・これができて、初めて感性としてのアートの域にはいるのだと日頃感じています。なので、私の所に来た若者は、連日、病態評価トレーニングです。
ニャン太さん
・・・・・?・・・!!
ネコちゃんのサイトのご紹介ですね!!
あの奇異な写真は、講演に参加されていた方もここへ書き込みをしてくださっている方も私も、誰もが警鐘として理解していると思います。
ご心配には及ばないと思います。