以前、掲載していた記事ですが、
緩和ケア研修会でも、
こうした質問は医師からも少なからず受けます。
痛みがあると
κ(カッパー)作動性内因性物質が分泌される
ということはすでに知られています。
この内因性物質が
κ受容体を活性化します。
κが活性化されると
ドパミン遊離が抑制されます。
側坐核には
このκ受容体が高密度に存在しており
疼痛があり
κ作動性内因性物質が分泌されていると
ドパミンの遊離が抑制された状態にあるわけです。
つまり、疼痛があるヒトの側坐核のドパミンは
遊離されづらい状況にあるわけです。
疼痛に対してモルヒネなど
オピオイドを投与すると
モルヒネがμ受容体に結びついても
ドパミンは抑制されていますので
中々遊離しません。
結果的に報酬効果などは
もたらさないことになります。
つまり、痛みがあると
この内因性物質が
陶酔感をもたらす側坐核のドパミン遊離を先に抑えていて
結果的に耐性や依存症は
引き起こさないということなのです。
かつて、がん患者さんに
言われたことがありました。
「正直に聞きたいのですが
先生は、私がもうすぐ死ぬから
麻薬を飲んでもいいと
思っているのですか?」
胸をはって答えました。
「いいえ、疼痛がある方に
除痛を目的に投与したときは
疼痛がない方が
陶酔感を求めて服用することと
まったく意味が違うのです」
そして、このκ作動性物質の話をしました。
患者さんは言いました。
「先生を私信じますから。」
嬉しかった・・
(つづきます)
短い文章の中に、どのようなことがあったのか、どんなお気持ちで書いてくださったのか、沢山のことが詰まっているように感じました。
TVから、伝えたいことが本当に伝えられるか、心配しながら話しておりました。頂いたコメントで、ちょっと安心することができました。ありがとうございました。