最近、立て続けに経験したこと。
入院時のチーム介入依頼時に、患者さんにお目にかかってみると
疼痛があって、
若干の意識レベルのムラ(低下)、
ちょっとつじつまが合わないような会話を認めるような状況・・・
MMSEをとると、多分20点以下・・(あくまでも、推測)
つまり、認知の低下を認めている状況で、
これで、波があれば、せん妄の可能性を念頭におくわけです。
はてさて、悩むのです。
この状況で、麻薬(オピオイド)を投与したとき、
意識レベルが悪化しないだろうか・・・
神経障害性疼痛の明らかな混在(たとえば、椎体骨折の根症状)があり
鎮痛補助薬も投与したいのだけれども、
悪化させてしまわないだろうか・・・
で、病態にもっとも適格と思われるオピオイドの種類と量を選択し、
一例は、やや疼痛が強く、オキシコドン15mg/日、翌日20mg/日
制吐剤は、なし。オピオイド使用歴あったので。
一例は、全身状態不良にて、デュロテップMT2.1mgの半分に
ワンステップおくことにしました。
制吐剤は、オランザピンOD 1.25mg/回
補助薬は、両方ガバペン200mg
NSAIDsは、併用。
主治医グループの先生とばったりエレベーターで出会いました。
「専門の先生達に診てもらうと、全然違います。
今までやっていたようで、見よう見まねで
改めて、こうやって体系的に考えるのか~って思ったんです
あ・・緩和ケア研修会申し込みました!」
最初、単純に、まあ・・嬉しいっ!て思いました。
その後・・
前述のやや意識混濁があったせん妄混じりかなって思っていた患者さん。
鎮痛薬で疼痛が緩和され、
意識が実に鮮明になったことがわかりました。
・・・ああ、さっきのエレベーターの中の会話はこのことだったのかあ・・って思いました。
今まで、せん妄を疑ったら、原因をできるだけ除去して抗精神病薬。
ですから、オピオイドは原因となったり、悪化させてしまったりしますので、
抗精神病薬投与後から開始にすることも多いものですが、
今回、疼痛を積極的に緩和することがせん妄軽快に繋がることを経験しました。
逆に、このことは、疼痛はせん妄の原因になるということの証明でもありました。
やっぱり、
痛みは早く緩和した方がよいですよ~
最新の画像[もっと見る]
- 医療者は知っていて欲しい上腸間膜動脈症候群 4日前
- めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな 2週間前
- つらさのマウント:応酬が始まったら・・ 2週間前
- 半夏瀉心湯のこと:明日の外来に活かせそう! 4週間前
- 頑張っているのに誰も褒めてくれない・・と呟いた患者さんへ 1ヶ月前
- タバコが止められない患者さんのこと 1ヶ月前
- 残暑だけど、感染症はどうなってる?:コロナ、手足口病、溶連菌、インフル・・多彩です 2ヶ月前
- 入院料の条件に盛り込まれた「人生の最終段階における適切な意思決定支援の推進」 2ヶ月前
- 入院料の条件に盛り込まれた「人生の最終段階における適切な意思決定支援の推進」 2ヶ月前
- 入院料の条件に盛り込まれた「人生の最終段階における適切な意思決定支援の推進」 2ヶ月前
先生のコメントをもとに、また仲間との話を膨らませてきました。
私たちが想像していた以上に呼吸が悪化していたかもしれないと思うと心苦しいですが、次につなげていきたいと思います。週単位でまだ時間があると思っていたのですが、1週間~10日という、先生のコメントに丁度当てはまります。
一般病棟なので高齢の方の夜間せん妄なども多いのですが、「せん妄」という同じ言葉でまとめずに、個々の患者さんの要素を丁寧に考えることが本当に大切ですね。
たのもしいです。患者さんの笑顔が増えると私たちも嬉しいですものね。
葵さん
麻薬の副作用・・昔はよく聞く言葉でした。
麻薬の吐き気は投与開始の1週間でほぼ消えてしまいます。その後の嘔気の大半は便秘です。
kanaさん
呼吸困難感がせん妄の原因か・・その前に、低酸素状態はせん妄を惹起します。呼吸困難感は、患者さんの主観的なものなので、心理的要素と呼吸不全とが悪循環になっていたのかもしれません。
せん妄の診断について、医師がもっとがんばらなければいけないと常々感じています。
ちなみに、亡くなる1週間前、つまり、日単位に入ってせん妄が出現する頻度は、カナダのPCUで約7割と言われています。
疲れて帰宅した中で読んでは、ほっとする癒しと学びをいただいています。
呼吸困難感がせん妄の要素だったのでは…と自分の中で心残りな患者さんを思い出しました。
呼吸状態や呼吸困難感の悪化が進行性であることや、症状緩和目的のモルヒネ(当初は疼痛緩和のためにオキシコドンを使用していましたが、呼吸には使用効果がなかったので変更)、病院にいる意味を見出せないことや、身体の辛さに納得のいかない内面の葛藤…。クリアーカットにできない要素が重なった全人的な苦痛がせん妄に繋がっていたのではと思うと、看護師としてアセスメントの難しさや介入スピードを判断するのに悩みました。
その患者さん、夜間にせん妄が強くなったり出現頻度が高かったように個人的には感じていたのですが、睡眠時の呼吸や心理によるものでしょうか…
終末期の夜間せん妄、アセスメントやケアのヒントになることがあれば伺えないでしょうか?
主治医曰く、血液検査や画像診断でもまだ重篤な状態ではなく、麻薬の副作用なのではとのこと。
この時期を乗り越えてくれるよう祈るばかりです。
がんばりまーす(^O^)/
葵さん
嘔気・嘔吐にはいくつもの鑑別すべき診断があります。採血データや診察をしなければわかりませんが、私たちに依頼がある嘔気の多くは便秘が隠れています。パッチでも便秘になります。毎日出ていても便秘のことがあります。でも、葵さんの連れ合いのかたの原因が何なのかは、診察なしには何とも言えませんが。
ちーさん
痛みの治療は、便秘の治療にはじまって便秘の治療に終わるという位に便秘が重要なのですが、一般医にはまだまだその意識は低いです。
もちろん、がんによって便が出ない状況になっていて、腸閉塞のような場合もありますから、どの程度、腸を動かすかの見極めが大切で、見過ごさないで、腸を可能な限り動かし続けることができるかどうかなんです。
私も知りたいです!
今年2月に肺癌原発の全身転移で余命宣告され、現在痛み止めと平行して抗がん剤治療をしています。
先月より疼痛緩和としてデュロテップMTパッチ2.1を使用、まだ疼痛があった為パッチを4.2に変更し、痛みは緩和されたのですが、その頃から吐き気、悪心が酷く、水分すら摂れない状態で、毎日電解質と吐き気止めの点滴を外来でしています。
お伺いしたいのは、痛みの緩和ではなく悪心の緩和はできないものなのでしょうか?
現在は点滴や座薬、経口薬全てが効いていない状態です。
いきなりの質問で長々とすみませんでした。
体動時にレスキューを何回位必要とするかでしょうね。
たとえば、一日3,4回程度なら、レスキュー中心でよいと思いますし、7、8回必要なら、一日苦しいかもと思いながら患者さんが8回もレスキューをつかうよりベースをあげてしまった方がよいでしょう。