緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

小児コロナ感染後合併症(MIS-C):腹痛や下痢などお腹の症状があったら6週間は注意してあげてください

2022年08月21日 | 医療
(写真は本記事一番下の記載ステートメントの診断のアルゴリズム)

病院の中は、コロナを含む医療体制には上限があるため、比較的静かです。

社会の中も、東京でも都民割(「もっとTokyo」など)の声もあり、居酒屋やレストランも通常営業ですし、電車もいつもの夏位の混み方です。

ただ、地域医療は・・
救急車の音は良く耳にし、SNSでは身近な人が感染したとか、続いてその家族や知人が感染したとか、玉突きのごとくお知らせを目にします。

宅配で送られてきたコロナ診断キットで陽性に出たけれど、登録はすぐにできなかったといった話も複数から聞きます。
遠隔的な一日の登録する数に上限が設けられているという話も聞こえてきます。

振り切れている数はもはや参考値ですが、これがどのように収束していくのか、見えてきません。






このところ、小児のコロナ感染事例をよく聞きます。
一方で、その合併症が報告されるようになってきました。


MIS-C (multisystem inflammatory syndrome in children) 
PIMS(pediatric inflammatory multisystem syndrome)
MIS-C/PIMS

前だけをとって、ミスシーと呼ばれています。
小児多系統炎症性症候群 

<特徴>
コロナ感染後、2-6 週後に起きる小児の合併症。
・海外報告では、発症年齢の中央値は 8.4 歳と年長児に 多い。
・肥満を除き、基礎疾患を持つものは稀。
・60%は PCR 陰性/抗体陽性
PCR陰性でも、消化器症状が強いなどあれば、抗体検査が推奨されることも

コロナに感染した小児の発生頻度はまだ不明です。

<病因>
・サイトカインストームと血管内皮障害がその病態の本幹

<症状>
発熱はほぼ必発
胃腸症状(85.6%)・・・・多い!
心血管系症状(79.3%)・・多い!
ショック(56.3%)
一部に、発疹や眼球結膜充血など部分的 に川崎病様の症状
  コロナなのに、ブツブツができる、目が赤いなどの別の症状がある

(川崎病の診断基準を満たす例は 22~64%。鑑別診断における本疾患の特徴は、年齢が高い、循環不全が目立つ、強 い腹痛を伴うことがある、川崎病診断基準の4項目以下が多いことなど)

<治療>
免疫グロブリン、ステロイド
症状や病態に対する対症療法

小児で、コロナ感染後、腹痛が続く、発疹、目が赤い

詳細は、関連5学会のコンセンサスステートメントを参照ください。

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