黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

西国第十二番 岩間山 正法寺 ご本尊開帳参詣 その1

2009-12-05 19:20:59 | 西国三十三所巡礼
今日は朝から雨の降る中、大津の西国第十二番岩間寺に参詣しました。雨が降るのがわかっていて、
寺社参拝するのは黒駒的には珍しいのですが、ご本尊の開帳が今月17日までなので今日しか
参詣できる日がないため参詣を強行しました。

岩間寺は公共交通の運行がない山上のため(臨時バスのみ)今回も自家用車でお寺に直行ですが、
到着していざ雨の中を行こうとしたところ、車の中に傘が・・・ない。( ̄▽ ̄;)ガーン最悪!
雨はけっこう降ってますよぉ・・・。んでもここまで来て行かないわけにはいかないのでキャップを被って
頭は濡れないようになんとかして拝観受付に。その受付のおじさんの一言・・・

「よう、お参りで。雨が本降りになってきましたなぁ」

・・・雨が本降りになってきましたなぁ・・・

もしこの一言がなければ、この後の自分はずぶ濡れねずみのみじめな格好のまま過ごさなければ
ならなかったでしょうよ。すかさず「そうですね、でも傘忘れてしまって・・・」と情けない表情で言って
話を繋げると、おじさん→「傘なら貸してあげますよ!」・・・おじさ~ん!観音霊場に来てまさに
観音さまに会った気分、傘観音・・・そう、おじさんは傘観音さま、The umbrella kannonですよ。
ありがたく傘を借りて、これで濡れなくて済みました。ありがとう、傘観音おじさん・・・南無。

え~と、前置きが長くなりましたが、以下参拝記です。

山号をとって岩間寺とも言う正法寺は大津市内から第十三番札所の石山寺を通り過ぎ、標高が443mある
岩間山の急勾配の坂を登りきった山頂にある山寺である。深秋ともなれば、木々の落葉が道路を
覆いつくしてアスファルトが見えないほどである。降雨の参拝となった今日は濡れた葉で車のタイヤが
滑らないかと、多少の不安を持ちつつ車を慎重に走らせ、境内前の駐車場へと到着した。

駐車場から境内本堂までは徒歩で5分あまり。山門はなくブロンズの仁王像がその代役を務めている。
第三十二番札所の観音正寺と同じである。その仁王像の前は下界への視界が開けていて色づいた山と
霧が幻想的な風景を見せてくれた。雨の中の参拝も悪くはない・・・。


境内に入ると、「火伏せの大銀杏」と名づけられた銀杏の木の葉が見事に色づいていて、さらにその落葉が
地面を黄金色に染めるが如くに覆いつくしている。これには訪れた誰もが感嘆の声を上げざるを得ないであろう。


正法寺本堂。天正5年(1577)の境内復興の際に建立された桧皮葺きの屋根を持つ比較的小ぶりな本堂である。




本堂横には廊下で繋がっている平成に入り再建された不動堂が建つ。本尊の不動明王は重要文化財であるが
秘仏となっていて拝観はできない。正法寺は修験道の行場でもあるが、今日も境内に法螺貝が鳴り響いていた。


本堂と不動堂をつなぐ廊下の前に「芭蕉池」がある。松尾芭蕉が「古池や蛙飛び込む水の音」と
詠んだとされる池である。


朝からの雨は境内に霧を呼び込み、よりいっそう幻想的な風景となった。仁王像横の梵鐘が撞かれて
山中にその音が響き渡り、眼前の風景と相まって「浄土」とはこういうものなのかな・・・と思いをめぐらす。




黒駒思いのままの記」←こちらも見てやってください。

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