黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

三十六歌仙和歌色紙

2009-08-23 21:13:14 | 歴史
先日、江戸時代中期の公家衆によって染筆された三十六歌仙の和歌色紙を
購入しました。本来は36葉あったものですが、散逸してそのうちの20葉です。
多少の虫喰いや擦れなどがありますが、全体的に保存状態が良くて美しい色紙です。

三十六歌仙とは平安時代までの和歌の名人36人のことですが、その三十六歌仙が
詠んだ和歌を後世に色紙などに書写することがよく行なわれました。

今回購入した色紙は江戸中期、おそらく西暦1700年頃に書かれたものと思われます。
36人の公家が色紙1葉を担当して36葉にする寄合書(よりあいがき)です。
36葉に集められた色紙は公家が所有したか、あるいは武家か裕福な商人に下賜されたか
わかりませんが京都市内の旧家に所蔵されていたものだそうです。

300年前の色紙ですが、墨の色はもちろん色紙の金砂子の模様もきれいに残っています。


柿本人麿の歌を染筆したのは当代一流の文化人であり五摂家筆頭当主の近衛家熙。


色紙の裏には染筆した公家の名前が記されています。これらの色紙は色紙帖に貼られて
手鑑(てかがみ=お手本)とされたか、もしくは屏風に表装されて鑑賞に用いられました。


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円満院門跡の重文宸殿・庭園などの競売成立へ

2009-08-22 10:10:40 | 近畿の寺社
僕もこの6月に訪れた大津の円満院門跡が多額の負債を抱えて
重要文化財の宸殿や国指定名勝庭園を含む境内が競売にかけられて
落札された件で、このたび競売が成立して所有権が移転するそうです。
京都新聞の記事

今後の展開については詳細は記事のなかにありませんが、
落札した宗教法人というのが、どうやらこちらも天台宗系単立の
古刹だそうで、とりあえず変な新興宗教ではなさそうなので
まだ良かったというべきなのでしょうか。

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京都 仁和寺門跡 北庭

2009-08-17 19:30:52 | 京都の寺社・御所・離宮
今から紹介する仁和寺の北庭は僕の一番お気に入りの寺院庭園です。白書院から宸殿南側の廊下へと
歩き北側へ通じる入り口に入ると、視界に入るのが蔀戸の上蔀が吊り上げられて下蔀との間から見える
パノラマ写真のような風景です。5年前に初めて訪れた時はまずここでその美しさに息を呑みましたね。


さらに進むと視界が開けて北庭の全貌が現れます。






五重塔を借景としてその前方の築山には重要文化財の茶室「飛濤亭」(ひとうてい)があります。
飛濤亭は江戸後期の光格天皇の好みで造られた茶室で普段は非公開ですが、5名以上の申し込みで拝観可です。


庭の中央ほど霊明殿寄りには滝があり、心地よい滝の音が庭全体に響きます。この日はさらに
鳩の鳴き声とうるさいほどの蝉の鳴き声が加わり夏の風情が漂っていました。


宸殿に対面して霊明殿が建っています。こちらは歴代門跡の位牌が安置されている仏殿です。


黒書院側から見た北庭


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京都 仁和寺門跡 白書院・黒書院・宸殿

2009-08-16 12:16:58 | 京都の寺社・御所・離宮
仁和寺の本坊である御殿は主に白書院・黒書院・宸殿の3つの建物から構成される御殿で、
明治20年の焼失後に白書院と宸殿は明治~大正にかけて再興、黒書院は旧安井門跡の宸殿を
移築改築したものだということです。いわゆる近代に建築されたものになりますが、門跡寺院の格式を
踏襲した寝殿造・書院造の建築様式なのでいにしえの風情を十分感じることができます。

宸殿から見た白書院前景。白書院は非公式な対面所としての殿舎です。


白書院から見た宸殿。白砂の庭は宸殿の南側にある南庭で、京都御所(内裏)と同じく右近の橘、左近の桜が
あります。右端の屋根の上に五重塔の相輪がわずかなから見えるところがなんともいいですね。


霊明殿側から見た宸殿全景と手前は黒書院。宸殿は門跡の御座所であり儀式を行なう最も格式の高い殿舎です。
黒書院は表の御殿である白書院や宸殿に比べて私的な空間の性格をもつ殿舎です。


宸殿の上段の間。門跡の御座所です。床の間にあるのは宇多法皇の御影でしょうか?


仁和寺の御殿は本当にいい佇まいです。直衣姿の公達がそこにいそうな雰囲気満載ですね。


書院や宸殿をつなぐ渡り廊下である透廊(すいろう)








さて、次回は僕が寺院庭園の中で1番好きな北庭です。

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京都 仁和寺門跡 勅使門 玄関車寄せ

2009-08-15 12:10:37 | 京都の寺社・御所・離宮
仁和寺の本坊である御殿は有料拝観区域になります。ニ王門を入ってすぐ左脇に入り口がありますが、
そのちょっと先に「勅使門」があります。彫刻などの装飾が施された豪華な門です。大正2年に竣工された門です。


透かし彫りっていうんでしょうか、とても精巧な造りです。


御殿内から勅使門のうしろが見れます。右手の門はニ王門。手前は南庭になります。


御殿玄関の車寄せ。御殿は明治期に焼失してしまって現在の御殿は明治から大正期にかけて再興されたものです。
しかし玄関車寄せをはじめ御殿内部も門跡寺院としての格式に従った復古的な建築です。拝観者はこの玄関から
入ります。車寄せまでの白い石畳や白砂と手入れの行き届いた大きな松がとてもいい色合いです。


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