黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

若狭小浜 羽賀寺

2011-07-02 18:58:36 | 若狭・丹後の寺社
今日は久しぶり(1年半ぶり以上)に若狭小浜のお寺にお参りに行きました。
高野山真言宗の羽賀寺。本堂や仏像などが重文に指定されている古刹です。

羽賀寺は小浜市の市街地を抜けて、田園地帯に入った山裾にあります。サイクリングすると
気持ちのいいコースでしょう。境内に入ると「元正天皇勅願」との石柱と新しい本坊があります。
駐車場は手前にあり、観光バス用のスペースもあります。
  

拝観手続きは本坊を通り過ぎてそのまま本堂に行きます。杉木立に挟まれた石段をのぼると
本堂が見えてきます。境内のいたるところには満開のアジサイが。
  

羽賀寺は奈良時代の霊亀二年(716)、元正天皇の勅願で行基菩薩が建立したと伝えるお寺で、
本堂は室町後期の文安4年(1447)の再建で重文。曲線が美しい桧皮葺の屋根を持つお堂です。




  


この本堂を再建したのは、後花園院の勅命を受けた奥州の豪族である安倍(安東)康季。
安倍氏は平安時代の武将として有名な安倍貞任の末裔ですが、その同族の末裔である
安倍元総理大臣は拉致問題で小浜との縁もあり、この羽賀寺を訪れたそうです。
また安倍家から↓のような石碑も奉納されています。
  

本堂内拝観。外陣と内陣をくっきりと格子で分けたお堂で、内陣に入りゆっくりと拝観ができます。
最初にお寺の方から説明があるのですが、ご住職の身内かどうかはわかりませんがおばさんが
5分間にわたり丁寧に説明してくれました。流れるような説明にちょっと感心。

ご本尊は10世紀初(平安前中期)作の十一面観世音菩薩。1000年以上も前の仏像にしては
極彩色と金箔が鮮やかに残るのは、昭和中期まで秘仏として厨子の扉が開いてなかったため。
頂いたハガキより。


ご本尊の他にも他寺より維新後に遷座した千手観音像や毘沙門天像、不動明王に地蔵菩薩、
また本尊の背面には薬師如来など平安後期の仏像が林立しています。
息がかかるほどの大変近い間でじっくりと拝観できるので仏像好きな人にはたまらないお寺でしょう。
外陣から格子を挟んで拝観すると、これまた非常に神秘的な雰囲気が堪能できます。

僕は朝一9時に入って1時間半ほどいましたが、その間に出張中のサラリーマン1人・東京から
小浜の寺院巡りにきた1人・奈良からやはり寺院巡りにきた1人・・・といずれも仏像好きそうな人が
お参りに来ていました。



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