明治維新はとかく旧幕藩体制を倒した薩長政権が西欧文明を取り入れた文明開化の進歩的なイメージが映し出されます。一見すると輝かしい時代のように見えますが、本当にそうなのか疑問を感じることが多くあります。政治権力を持ったものが描き出す社会は、いつの時代にも明るく描き出します。しかし、どの時代であっても社会の底辺で苦しんでいる人々は存在します。明治期にも社会の底辺で目を向けて活動する人はおりました。新島襄の設立した同志社に学んだ留岡幸助と山室軍平。キリスト教の牧師から教誨師となって北海道の空知監獄に赴きます。囚人の劣悪な環境に疑問を呈し、囚人の心の支えになりながら監獄の改革に努めます。一方の山室軍平は救世軍に入隊して廃娼運動に関わり苦しんでいる社会の底辺にいる人々に目を向けました。権力欲が横行した明治期において社会の底辺に目を向け、苦しんでいる人々に光を当てた二人こそ、人間の歴史を輝かしいものとしています。
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