グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

失敗コストの重さに思う

2016年11月13日 | 日記
先日某惣菜メーカーが同社のパック商品に容器のプラスチック片が混入したとかで製品回収を行う旨を公表していた。
対象商品は60万個を超えるそうだ。
商品単価は低いもののこれだけの個数を廃棄処分にし尚且つ全国津々浦々に配送あるいは既に消費者の手に渡っている商品を全て回収することは容易ではないだろう。
消費者の買い控え等、ブランドの毀損もある。
60万個の商品のうち何個に欠陥があるのか知る由もないがこのたびの失敗コストは総額いかほどになるのだろう、いささか気になる。
失敗コストといえば横浜都築区の傾斜マンションがある。
結局全棟建て直しとなったようだがそのコストは総額390億円と試算されている。
販売事業者としてはゼネコンと杭打ち業者に全てツケを回したい意向だが「デベロッパーの管理責任は全くない」と言い切っていいのかどうか・・・。
失敗コスト、上手くいっていれば何ともないのだがある日突然降りかかってくるのが失敗コストというものだ。
損保会社のビジネスチャンスは尽きることがないねぇ。(笑)
もっとも某エアバッグ・メーカーのように全商品に失敗コストが及ぶようになればこれはもう重いどころの話ではない。
自立存続が不可能になる。


温暖化対策の費用負担基準を考える

2016年11月12日 | 日記
モロッコで開催中のCOP22で日米欧など先進国が途上国の温暖化対策への資金援助を中国、インドなど新興国にも求めていく方針を固めたとのことだ。
温暖化対策は今や洋の東西を問わず、赤道の南北を問わず全世界、人類共通の課題なのだがCO2の排出規制や温暖化コストの負担など各論になると難問山積である。
日本が議長国として取り纏めに関わった「京都議定書」など有名無実の代名詞みたいなものだ。
さて今回の先進国案は新興国にどう受け止められるのだろうか。
トランプ新大統領ではないが先進国も昨今往年の輝きを失いつつある。
よって経済規模に応じて資金負担を決めていくのは十分説得力を持つものと思料するがGDPなどのほかに領土、領海などの面積なども併せて考慮したらどうかと思っている。
広大な土地や海洋を保有する者は温暖化対策にも相応の分担が期待されよう。
もっとも「ない袖は振れない」というから要はGDPなど経済指標との兼ね合いになるのだが・・・。
いずれにせよ対策を怠れば人類全体あるいはそのうちの誰かが結局ツケを払うことになるのである。



米大統領選、世紀の番狂わせに思う(その2)

2016年11月11日 | 日記
米大統領選から1,2日経過したが世界はまだショックから抜け切れていないようだ。
茫然自失は分かるような気がするが米国各都市の「トランプは認めないデモ」の暴徒化はいただけない。
高速道路を封鎖したり銀行店舗を破壊している様子がテレビ等で映し出されているがクリントン候補が勝利していたらこんなことにはなっていなかったように思う。
仮にも民主的な選挙によって下された審判なのだからクリントン候補支持者は現実を冷静に受け止めるべきだろう、クリントン候補やオバマ現大統領を見習って・・・。
いくら米大統領に強力な権限があるにしても議会がある限り「全て思い通り」というわけにはいかない。
米国議会も共和党が押さえたというがトランプ新大統領が共和党から全面的に支持を受けているわけでもない。
閣僚だって全てトランプ候補信奉者にはということにはならないだろう。
トランプ新大統領が今後どこまで自説を実現できるか、興味深いところだ。

米大統領選、世紀の番狂わせに思う

2016年11月10日 | 日記
米国の新大統領にドナルド・トランプ氏が内定した。
まさに世紀の番狂わせで、日本はおろか世界中がハチの巣を突っついたような騒ぎである。
果たして世界は今後どう動いていくのだろう?
無論今までのオバマ政権時代からは相当変わるのだろうが、しかし選挙戦時代の発言ほどの過激さはなかろうと筆者は勝手に、良いように考えている。
副大統領他ブレーンが政治素人の大統領にそこそこブレーキをかけてくれるものと期待しているところだ。
勝利宣言だって至極真っ当、まさに優等生のものだった。(笑)
それにしてもトランプ候補は小池東京都知事と似たところがあるねぇ。
アメリカ第一、都民ファーストという分かりやすいキャッチフレーズ、選挙戦で敵を作り徹底的に叩く手法などもよく似ている(もっとも小池都知事の場合は対立候補ではなく都議会や五輪組織委のドンだったのだが・・・)。
小池候補も今、選挙活動時の演説から多少軟化しつつあるがトランプ新大統領も結局同じ道筋を辿るような気がする。
多数の米国国民の不満を解消してくれる、劇的な変化を生み出す新大統領の登場は何も悪いことばかりではないハズだ。


福岡市の道路陥没事故に思う

2016年11月09日 | 日記
福岡市の繁華街で大規模道路陥没事故が起きた。
地下鉄延伸工事が絡んでのことだそうだが今後進むと思われる大都市の大深度地下開発に大きな警鐘になりそうである。
東京などは既に大江戸線が地下40メートル近くを走っているというが無事故で建設出来たことはまさに奇跡だったと思った方がよさそうなくらいだ。
あれだけ複雑に3次元にライフラインが張り巡らされている地下空間で新たに線を通すのは容易ではない。
しかも地層のような自然界の状況も勘案しなければならないとなれば尚更だ。
何より事故を起こさないことが重要なのだからさらに大規模データベースと最新測定機器の出番が増えてくるのあろう。
不幸にして事故が起きてしまった後の対応策は十分だろうか。
今は新素材セメントを使って止水作業に懸命だが周辺の生態系に影響が出てこないか・・・、そんなことにも配慮しなくてはならないと思う。
ところで事故発生直後に福岡市長が「はらわたが煮えくり返っている」との発言が気になった。
地下鉄建設工事担当部門を念頭に置いての発言かもしれないが市の交通局は身内なのだ。
部下に対する叱責よりまずは市民に対する謝罪と反省が先だろう。

米大統領選トランプ候補の健闘に思う

2016年11月08日 | 日記
米国大統領選のトランプ候補の予想外の健闘に驚くばかりである。
当初は泡沫候補、単なる賑やかしだと思っていたがあれよ、あれよという感じで決戦投票まで勝ち残り逆転勝利を窺う状況にある。
彼は共和党の代表だそうだがつい先日同党のエスタブリッシュメントが彼を見限っていた。
それでも彼は統一候補と残っているのだから過去の共和党はもう変質してしまったかのようである。
今回の大統領選は従来の民主党VS共和党の構図ではなく現在の米国の政治に対する肯定層VS不満層の戦いのようにも見える。
それだけ米国自身が追い込まれているのだろう。
トランプ候補優勢の世論調査が明らかになると株価が下がるという現象もユニークだ。
ビジネスマン出身の彼が大統領になると企業活動が鈍化する?、うーん、いろいろ考えてしまう。
ただTPPについていえば両候補とも反対のようだ。
EU各国の引きこもり現象ともどこかで繋がっているのかもしれない。
グローバリゼーションの波は先進国を中心に遠去かりつつあるかのようである。

abemaTVの今後の動向に思う

2016年11月06日 | 日記
今年4月にサービスを開始したabemaTVが順調な滑り出しを見せているようだ。
インターネットTVは「通信と放送の融合」を象徴するビジネスであり将来性は十分と思われるが過去の歴史を見るといろいろ考えさせられる。
いささか旧聞になるがライブドアという当時伸び盛りのIT企業がフジテレビに食指を伸ばしたことがあったがこういうビジネスをイメージしていたのかもしれない。
残念ながらこの案件は進め方がやや乱暴だったため実現には至らなかった。
また最近までNTTドコモが主導してサービスを行っていたNOTTVも結局挫折してしまった。
こちらの方は何が原因だったか・・・、有料事業モデルが受容されなかったのか、それともコンテンツ開発力が弱体だったのか・・・。
ごく最近米国でAT&Tがタイム・ワーナーを買収したニュースが話題になった。
そろそろ「通信と放送の融合」の機が熟してきたのかもしれない。
abemaTVが世界初の成功モデルとなるかどうか・・・、国内外が注目している。

日銀の物価上昇率目標時期の先送りに思う

2016年11月05日 | 日記
先日日銀総裁が物価上昇率2%の目標時期の先送りを示唆していた。
先送りがこれで5度目とあってはさすがにこれを信じて聞いているものはいないだろう。(笑)
多くのメディアは今回の発表を「(総裁の)敗北宣言」と受けとめた。
何しろ今度の目標時期は総裁自身の5年間の任期より先の話だからねぇ・・・。
しかし責任論に話が及ぶと上手くはぐらかしてしまった。
異次元緩和の副作用については全く言及がなかったし・・・。
さてもう一人の総裁はアベノミクスの「相棒」である日銀総裁の今回の発表をどう聞いたのだろう。
やっぱり「アベノミクスは道半ば、日銀総裁を信じている。」とでもコメントするのかねぇ。(笑)
気になるのはアベノミクスの最終ターゲットが少しずつ変わっていることだ。
当初の第三の矢の「成長戦略」は介護離職ゼロ化になったり同一労働同一賃金制度になったりで、時の経過とともに変化している。
やっぱりターゲットはGDPとか国民消費の総額なり客観データで年単位でフォローしていかないとね・・・。
今のままでは「結局アベノミクスとは何だったの?」「果たして達成度はどうだったの?」てなことになりかねない。



銀行員の11億円着服事件に思う

2016年11月04日 | 日記
先日メガバンク副支店長の11億円着服が明るみに出て逮捕された事件があった。
11億円の金額もさることながら100回のコンピュータ不正使用が4年間も見逃されていたことに驚いた。
恐らくこの副支店長が支店内の不正チェック担当だったのだろうが副支店長自身が不正に手を染めるケースは想定されていなかったのだろうか。
支店単位の入出金管理はやっているはずだが・・・。
部外犯の犯罪防止策は結構進んでいるようだが内部犯行についてはワキが甘いようだ。
副支店長自身の罪については法に沿って処罰されるのだろうが銀行内部の管理責任についてはどんな処分になるのだろうか。
今のところなにも聞こえてこない。
それにしても為替レートの変更を支店サイドで自由に出来るなんて考えられない。
もしもこんなことが出来るとしたら本社機構であるシステム部門の落ち度ではないか。
メガバンクにとって11億円など誤差のうちなのかもしれないがゆめゆめ「身内には甘い」などと言われないように・・・。



パナホームの展示場閉鎖計画に思う

2016年11月02日 | 日記
プレハブ住宅大手のパナホームが18年春までに展示場50ヶ所を閉鎖するという。
といっても決して後向きの意思決定ではない。
展示場の人員を需要の大きな拠点に集中させる、いわば攻めの行動なのだがあらためて気になったのが地方から都市部への戦力シフトである。
今回の計画で閉鎖の対象となったのは東京を除く東北・関東や中国・四国・九州などの地方拠点であり閉鎖された拠点の人員は東京、大阪などの大都市の拠点に振り向けられるという。
我が国の主要政策の一つであり担当大臣も設置した「地方創成」はどれだけ進んだのだろうか。
民間企業であるパナホームが需要の旺盛な地域に経営リソースを重点的に配分することは当然のことなのだが問題は大都市が栄え地方都市が疲弊する現況に対し政治がほとんど無力で十分手が打てていないことだ。
ゆえに民間企業は止むなく、あるいは結果として地方を離れていく・・・。
本当に忸怩たる思いである。
恐らくパナホームの動きは氷山の一部だろう。
今からでも遅くはない、政府・与党は「地方創成」に本腰を入れよう。
首相の延命手段を検討する暇があるくらいなら・・・。