後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔156〕私たち「反逆老人」の〔反原発・反戦争法〕の3日間はこんなふうでした。

2017年09月20日 | 市民運動
  権力に立ち向かい、異議申し立てをするベテランの人々を、親しみを込めて「反逆老人」と名付けたのはルポライターの鎌田慧さんです。9月17日からの3日間、私(たち)はまさに反逆老人でありました。
  9月17日(日)、142回目の清瀬・憲法九条を守る会でした。10名ほどのメンバーと、8月の松代大本営跡の見学などの総括、市議会の対応(一般質問、請願など)の反省、日本や世界の政治状況などについての侃々諤々の討論は四時間に及びました。

  翌9月18日(月)、「ともに生きる未来を!さようなら原発 さようなら戦争全国集会」に清瀬の仲間数人で参加しました。
  昨年のこの集会は強い雨のなか開かれましたが、デモが中止になるという厳しい天候でした。(このブログを辿ってみてください。)今年は心配された台風も遠くに去り、かえって日陰が恋しい集会日和になりました。今年は12:30からのプレイベントからの参加で、ほぼ最前列に陣取りました。
  どんな集会だったのか、主催者のチラシに当日の様子を付け加えて紹介しましょう。

■「ともに生きる未来を!さようなら原発 さようなら戦争全国集会」(チラシから)
 安倍政権の暴走が止まりません。秘密保護法、戦争法、共謀罪の新設に続き、憲法9条の改悪を打ち出しています。私たちを戦争の泥沼に引きずり込もうとする動きで、決して許すことはできません。さらに沖縄の辺野古新基地建設、原発再稼働や核燃料サイクルの推進、福島原発事故被災者の切り捨てなど、民意を無視し、人権をないがしろにする暴走政権に「NO!」の声をあげましょう。
 2011年3月の福島原発事故から6年を迎えたいまも、8万人近い人々が苦しい避難生活を余儀なくされ、補償の打ち切り、帰還の強制など、被災者の切り捨てともいえる「棄民化」が押し進められています。一方で廃炉作業は困難を極め、廃炉費用も約21.5兆円にも膨れ上がり、原発事故の重いツケが残されています。
 原発廃炉と核燃料サイクルの中止、憲法改悪を許さず、戦争への道を拒否することを強く訴えます。

・と き:2017年9月18日(月、祝)
・ところ:代々木公園B地区
11:00 出店ブース開店(けやき並木)
12:30 開会、さようなら原発ライブ@野外ステージ
    出演:松崎ナオさん、路上組
    ※ミニステージでは憲法・沖縄・原発のリレートーク
13:30 発言(司会:木内みどりさん)
    開会挨拶:落合恵子さん(作家)
    福島から:佐藤和良さん(福島原発刑事訴訟支援団団長)
自主避難者から:森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)
    玄海原発から:徳光清孝さん(原水爆禁止佐賀県協議会会長)
    沖縄から:山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)
    うた:パギやん
    沖縄から:山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)
総がかり行動から:福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表)
    閉会挨拶:鎌田慧さん(ルポライター)
    クロージングのうた:パギやん、パンタさん
15:00 デモ出発
    渋谷コース:会場→渋谷駅前→明治通り→神宮通公園解散(1.3㎞)
    原宿コース:会場→原宿駅→外苑前駅→明治公園周辺解散(2.3㎞)
・主 催:「さようなら原発」一千万署名 市民の会
・協 力:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
・連絡先:さようなら原発1000万人アクション事務局
   東京都千代田区神田駿河台3-2-11 連合会1F 原水禁気付
   TEL:03-5289-8224、Email:sayonara.nukes@gmail.com
   http://sayonara-nukes.org/(「さようなら原発」で検索)

※ミニステージでは憲法・沖縄・原発のリレートーク
・松本徳子さん(避難の共同センター代表世話人)
・芝口正武さん(福島県教職員組合双葉支部長)
・古今亭菊千代さん(落語家)
・清水雅彦さん(憲法学・日本体育大学教授)
・山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)
・踊り カーチャーシー
・高田健さん(総がかり行動実行委員会共同代表)


  参加してない人には少し分かりづらいので説明が必要です。12:30からは野外ステージで「さようなら原発ライブ」、ミニステージでは「憲法・沖縄・原発のリレートーク」が同時並行して行われたということです。私たちは野外ステージにどっしりと腰を下ろして微動だにしませんでしたがね。
  長時間でくたくたに疲れたのですが、渋谷コースのデモにも参加しました。昔の学生時代の仲間に再会できることを願ってのことでした。Tさんは現在労働組合の役員として頑張っているはずですが、今年は会えませんでした。
 当日の様子を東京新聞が伝えていますが、9500人参加の大集会を伝えないマスコミが多いのにはびっくりです。

■「戦争法廃止 諦めない」 渋谷で山城議長ら政権批判「権力の私物化」東京新聞2017年9月19日 朝刊
 安全保障関連法成立から2年の節目を翌日に控えた18日、安保法や原発再稼働に反対する「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。会場では安保法に対し「戦争する国になる」「憲法違反」など懸念の声が上がる一方、安倍晋三首相が衆院解散・総選挙の方針を固めたことに対しても「疑惑からの追及逃れ」など批判の声が相次いだ。集会後にはデモ行進もあり参加者の声が街中に響いた。 (飯田克志、増井のぞみ)
 市民ら九千五百人(主催者発表)が参加。主催した市民団体「『さようなら原発』一千万署名市民の会」の呼び掛け人の作家、落合恵子さんはあいさつで、学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設や、学校法人森友学園の国有地払い下げを巡る疑惑を念頭に、「安倍政権は私たちが(疑惑を)忘れ、支持率がアップしたので選挙に勝てると思っている。これほどやりたい放題の内閣はあったでしょうか」と声を張り上げた。
 市民や市民団体でつくる「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫(しんごう)共同代表は「安保法は違憲。みんなで戦争法廃止を勝ち取ろう」と呼び掛けた。その上で、「衆院解散は権力の私物化、貧困と格差の拡大を隠すための保身、党利党略で許せない。だが、安倍政権の政策を転換させるチャンス」と訴えた。
 米軍新基地建設の抗議活動で長期拘束された沖縄平和運動センターの山城博治(ひろじ)議長は「安倍政権は北朝鮮の脅威をあおって憲法を変え、この国を変えようとしている」と指摘した。


 そして9月19日(火)、国会議事堂正門前での、「戦争法強行採決から2年、戦争法・共謀罪の廃止と安倍内閣退陣を求める大集会」に、やはり仲間数人で参加です。桜田門駅からすぐの交差点で、清瀬のS夫妻がチラシを配っていました。メインステージは国会に向かっていつもの右側ではなく、左側でした。混み混みのステージ前に何とか潜り込みましたが、残念ながらマイクを持つ人の顔は見ることができませんでした。嬉しかったのは、演劇教育の仲間で、現在は教職員組合の専従で頑張っているTさんと会えたことでした。

■戦争法強行採決から2年、戦争法・共謀罪の廃止と安倍内閣退陣を求める大集会
・9月19日(火)18時半~(18:10~プレコンサート)
・場所:国会議事堂正門前(ステージは正門に向かって左側)
・主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
   安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会
・連帯挨拶:学者の会、ママの会、違憲訴訟の会、旧SEALDs、などなど

  この時の状況を神奈川新聞は次のように伝えています。

■国会前に「今すぐ廃止」の声 安保法2年 9/19(火) 神奈川新聞
【時代の正体取材班=田崎 基】「安全保障関連法制」が強行採決されてから2年となる19日、国会正門前では市民団体が「戦争法・共謀罪の廃止と安倍内閣退陣を求める大集会」と銘打って大規模な抗議行動を行った。市民団体のメンバーのほか野党幹部も駆け付け、集会には1万500人(主催者発表)が詰め掛けた。「安倍政権は退陣!」「戦争法は今すぐ廃止!」。掲げられたプラカードとともに声が響いた。
 教育学者で学習院大教授の佐藤学さんは「安倍政権は全てを私物化していく。そして臨時国会の冒頭で解散すると言い出している」と批判。「安保法制が成立して日本のリスクは減ったのか。安倍政権と集団的自衛権がリスクを高めているではないか」と訴えた。
 安保法制は2年前の2015年9月19日未明、野党議員らが猛反発し、国会周辺でも数千人が抗議する中、強行採決された。その後、南スーダンに派遣された陸上自衛隊の部隊に付与した「駆け付け警護」や、海上自衛隊が米軍の艦船を守る「米艦防護」の任務などで運用が始まっている。
 集会の主催団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委」は毎月19日に国会正門前で抗議集会を重ねてきた。この日はあらためて、現状のままでは米国の戦争に巻き込まれるのではないかという懸念が示され、安倍政権の早期退陣を求めた。
 マイクを握った「安保法制に反対するママの会」の澤口香織さんは10月にも衆院選が行われる見通しを踏まえ、「野党と市民の共闘しかない。私たちは1人ではない。後悔しないために共に闘いましょう」と呼び掛けた。横浜市から訪れていた女子大学生(19)は「米国の言いなりになって安保法を作り、このまま戦争になったら大変なことだ。廃止に向けて声を上げなければいけない」と思いを新たにしていた。


  いまやマスコミの関心は、はたして野党共闘が成立するかということですが、この集会に参加した人たちの思いは違っていました。私たちは市民と野党の共闘を目指しているのです。野党共闘などと小さなことを言っているのではないのです。市民が頼りない野党の尻を叩いて頑張らせるのです。参加者の思いはこの一点に集約されていました。
 この日鎌倉のTさんも来ていたということですが、残念ながら再会は果たせませんでした。
 神奈川新聞では教育学者の佐藤学さんに触れていますが、研究室を抜け出し、街頭に出てアジ演説をぶつ彼の姿に感動しています。現在私は彼の『教育方法学』(岩波書店)に目を通しているところです。
 市民と野党の共闘に力を注ぐもう1人の学者といえば山口二郎さんです。


 ◆歴史のない国 山口二郎(法政大教授)

 原子力規制委員会が東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働に向けて、運転適格の判
断を下すという方針を決めたという新聞記事を読んで、愕然(がくぜん)とする
とともに、なんと破廉恥なという怒りがこみあげた。福島第一原発の事故の本当
の検証は放棄された。
 例えば、『世界』10月号掲載の田辺文也「2号機はなぜ破損したのか」を読め
ば、メルトダウンの過程についてまだ解明されていないことがわかる。
3・11は第二の敗戦とか、転換点とか言われた。それが第二の敗戦たるゆえん
は、第一の敗戦と同じく、敗戦の責任者が免責され、過去を反省することなく誤
った政策を継続している点にある。
 原発事故がもたらしたさまざまな問題に目をつぶり、再稼働を強行する安倍政
権は、戦争の歴史と同様、3・11という歴史的経験を消去しようとしている。歴
史を否定すれば我々は未来を持つことができない。
 無力感に浸っている場合ではない。3・11をなかったことにするのか、3・
11の教訓をかみしめてエネルギーをはじめとする日本の政策の転換を進めるのか
は、政治におけるもっとも重要な対立軸である。
 北朝鮮に対する「この道をさらに進めば明るい未来はない」という安倍首相の
言葉はそのまま彼自身に当てはまる。
 野党が日本の未来を残したいなら、衆院補選において対決構図を明確にして戦
わなければならない。
   (9月17日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)